- 2005-09-08 (木) 20:26
- BL小説(作家名・ま行) | 水原とほる
両親を早くに亡くし姉と二人きりで暮らしていた澤田雪洋(さわだ ゆきひろ)はバイト先のバーで岡林祐司(おかばやしゆうじ)と言う極道の人間にたてついた事が元で、店のマスターや舎弟たちの前でいきなり強姦されてしまう。
入院するほどの怪我を負わされた雪洋は岡林を憎むが、その病院の入院費用を全額支払ったのは岡林だったと聞かされて愕然とするのだった。
その後結婚の決まっている姉の事を盾に取られ、岡林の元に無理矢理連れてこられた雪洋は有無を言わせず岡林のバシタ(伴侶)としての生活を余儀なくされる事に成った、行為の時には相変わらず乱暴に扱い、雪洋の言い分には全くと言っていいほど耳を貸さない岡林だが、彼の人をひきつけてやまないほどの強いカリスマ性や時折垣間見せる優しさに、雪洋の揺れる心は戸惑いながらもどこか岡林に惹かれて行く気持ちも止められなくて……
ち、血生臭~
私、彼らの表の一部分しか知らないので、これが彼らの本当の姿だったらマジで怖いっす!いや、実際フィクションだけとは言い切れない部分もありそうだって所がまた妙に怖い…
なんだかかなりハードです、エロがと言うより他の部分が(笑)多分そういうところも濃いとは思うのですが、殆どが無理矢理系なので、私にとっては萌えでは無かった怖かった…。なんにしろ、気力が充実しているときでないと読みづらいですね、「窓」の時のようにさくさくっとは読めなかったなぁかなり苦労しました、血生臭いところは読まずに飛ばしちゃった^^;)
でもね、いいですよね、理不尽な扱いを受けながらそれに精一杯立ち向かおうとする雪洋の気の強さ、そして意外なくらい優しい一面を持つ岡林、この男から逃げられないんだと言う事実を突きつけられて、最初はただ闇雲に抗うばかりだった雪洋が、色々な人と関わる内にどうやって岡林の事を受け入れていこうかと真剣に考えるさまに強く胸を打たれます。
岡林は一旦手に入れたものはとことん可愛がる人なんでしょうね、圧倒的な力でねじ伏せている様にしか見えなくても、真剣に雪洋の事を思っているんだと言う事がちゃんと分かる部分が沢山あるので、雪洋が少しずつではあっても岡林に心を開こうとする気持ちが読んでいる方も無理なく受け入れられる気がしました。
こういう男に惚れられるのって、嫌だけど良いね(ってどっちやねん!!)
憎いけど愛しくて、離れたいのに離れられない…あんなに憎いと思っていた人を、いつの間にか自分が愛してしまったから、だから、もう逃れるすべは無いのだと最後には一緒に生きていく事を決意する雪洋と、お前を一生離さないという岡林……
あぁ、この辺りがバリバリ任侠道入ってそうです、男同士だけど…(笑)
実際極道の方と結婚しちゃうと、離婚は中々してもらえないみたいですね、特に本妻さんは…体裁とかそういうのもあるんでしょうけど、それだけじゃなかったりもするのかな?裏の社会は色々ありすぎて一般人にはわからん。
しかしこの話、とりあえずはハッピーエンドなのに心から良かった縲怩ニは思えない複雑な心境…たはっ(^^;)
暴力的なシーンは確かに多いです、ただの強引、傲慢、強姦な話じゃないもの、そういうのが嫌いな方にはかなりきついかも知れないけど、それだけにとどまらない筆力って言うのかなぁ?
読ませる力が在るんですよね、これでデビュー作って言うのがまたすごい。
でも、同じヤクザ物ならもう少し平和な英田さんの作品や高月まつりさんの様な思い切りコメディタッチの方が私は好みだな…って比べてどうするって気もするけど。
続編もあるのですが、読むのはしばらく後にします(笑)
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Comments:2
- 凛 05-09-09 (金) 21:23
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TB、有難うございました!
確かに。
Juraさんの感想を読んでいると、血生臭かった…というのが、今更になって感じるというか。日頃、活字に浸ることがほとんどなかった所為か、そんなシーン以上に、作品自体に何か感じるモノがあった所為か、つらつらと読んでしまっていました… でも、この作品がっていう訳ではないんですが、活字を読むことに、躊躇いがなくなってきたみたいなので、この調子で、漫画やCDじゃない、BLにはまってみようかと。
今日、続編を手に入れてしまいました。とりあえず、読んでみます!
英田さんって、エス、の方ですよね。エスはCDしか聞いていないんですが、原作を読まれている方が、かなりはしょられている、と感想を書かれていたので、凄く読んでみたい方、です。
でも、ふと気付けば、ヤクザモノが数冊… 何故だろう… - Jura 05-09-10 (土) 12:45
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凛さんこんにちは
こういう作品って読み手の精神状態にもかなり左右されますよね。
またしばらくたって読むと受け取り方が違ってしまったりとか。でも全体的に暴力的で血生臭い雰囲気が…。
続編は拾い読み程度に読みましたが、なんか今の私にはもうそれで
おなかいっぱいです、な感じです、なのでしばらく保留しよう(笑)>英田さんって、エス、の方ですよね。
そうそう、そうです、エスは大好き、シリアステイストなのでちょっと苦しくもなりますが、こっちのヤクザ物よりはずっと読みやすい(私には)
最近発売された「夜が蘇る」もヤクザ物ですね、ちょっとコメディタッチ(というよりシリアスなのに攻めがオヤジ臭いので攻めと受けのやり取りが笑える)なのでよ読みやすいのはこっちの方かな?
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- 夏陰 【水原とほる】 from 詞の音
- trackback from my lovers@another side 05-09-09 (金) 21:25
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夏陰―Cain/水原とほる
いつも拝見させて頂いている方のところで、
水原とほるさん、を知り。
凄く興味をそそられ・・・・・
そして捜索しに出掛け、見つけたのがこの作品。BARでバイトをしていた雪洋。
偶然飲みにきたヤクザ、岡林にとった態度の所為で、殴られ、強姦されてしまう。
その後。 - trackback from 月と凌霄花 05-09-23 (金) 19:22
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『夏陰 -Cain-』
「夏陰 竏辰ain竏秩v
水原とほる / 高尾 拾
マガジン・マガジン ピアスノベルズ
2003年05月 / 2004年02月★★★☆
バーでウェイターをしている平凡な大学生・雪洋(ゆきひろ)の前に、突然現れた男岡林と出会った瞬間から、雪洋の平凡なしあわせは崩れ去る。ヤクザの要人である岡林にいきなり陵辱され、肉体にも心にも傷を負った雪洋だが、しかし圧倒的な暴力の前に膝を屈するしかなかった。
冷たい感じのする美貌とは裏腹に、芯の通った強気な態度をとる雪洋に興味を惹かれた岡林は、雪洋に「バシタ(伴侶)」になれと強制する。唯一の肉親である姉を質にとられ、岡林のマンションで暮らし始めた雪洋は、今まで知らずにいた世界へと否応なく引きずり込まれていく…。
(「夏陰 竏辰ain竏秩v)かなり本格的なヤクザもの。暴力やSM、流血や死といったものが苦手な方にはお薦めできません。色々とハードな描写です。しっかりと作りこまれた構成で、ところどころ文章の粗は見えますが、これがデビュー作とは思えない完成度の高さ。
先日「窓」を読んで、既刊紹介を見て気になったので買いました。秋月は節操ないです。ほのぼのからハードまで。読んでよかったです、面白かった。突然、降ってきた災難。冒頭からいきなり強姦されて、バシタになれと有無を言わさず同居させられる。雪洋にとって岡林は最初に目が合った瞬間から、爪先から震えるような恐ろしい存在でした。逃げ出したい…けれど姉がどんな仕打ちを受けるか分からない…。度重なる暴力的な痛みの前に、雪洋は逃げる気力すら失い、ただ受け流すように日々を過ごしていく。
それでも、生きていればそれだけで、何らかの救いを見出そうとする、それが人間のもつ強さでもあります。ヤクザという暴力と死と隣り合わせの世界のなかで、雪洋に初めてできた心を通わせる相手、それは世話係となった組の若手(といっても彼の2つ年上)である若松。常に緊張状態にさらされている雪洋と同様、読み手もなかなか気を抜けないので、ところどころにある若松と雪洋のやりとりに和みます。岡林が神様ならそのバシタである雪洋はマリア様、と言って笑った若松。愛すべきその彼が…ああ、この展開はすごく酷です。可哀想。岡林は関西橋口組組長の三男だが妾腹で、上に正妻の子である兄が二人。この義兄らと折り合い悪く、東京に進出し白神組の代行―実質組長―を取り仕切っている。英邁で辣腕、刃向かう者には容赦のない冷酷さだが、組の身内には慕われ人望も厚い。
雪洋にとって岡林は最初、怖いだけの存在だった。逆らえないとは承知しつつ、それでも些細な抵抗をする雪洋に業を煮やし、度々岡林は彼を蹂躙する。その暴力的なまでのセックスシーンは、しかし、愛情表現の手段が食い違うがゆえの痛みだ。それまで重なることのなかった二人の(二つの)世界が重なったがゆえの、ひずみ。そしてその痛みの向こうに、微かに見える何か、それに互いが手を伸ばし、触れたその時、ようやく二人の感情が交差する。肉体だけのつながりが、より強固になっていく。話は痛いです。続編「箍冬 竏辰otoh竏秩vもやっぱり痛いです。イタイ系とかいう痛さじゃなくて、暴力は痛いんです。けれどそれは、お互いが力の入れ加減を知らなくて、すれ違ってるから起こる摩擦なのであって、しっかりとつながれば消える痛みなんだと思います。
ただ、雪洋の口調がちょっと。性格もちょっと。いまいちはっきりしてないようです。「箍冬」の展開はやや予定調和的でしたが、色々と決着もついてよかったです。
それから何気に、どちらの巻でも、岡林の側近・木島がいいとこもっていってます。木島の私生活が知りたい…。 - trackback from にゃんこのBL徒然日記 06-04-17 (月) 17:43
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「夜夜の月」で気になっていた、水原先生。
本屋で見かけ、続編「箍冬」





