- 2005-10-03 (月) 20:39
- BL小説(作家名・あ行) | うえだ真由
この方の作品には私、毎回泣かされてばかりです。
中澤千波(なかざわ ちなみ)には忘れられない人が居た、8年前に二人で交わした約束を保護にしてしまった相手榊晴一(さかき はるいち)だ、約束の場所に現れなかった千波をまるで咎めるように8年間もの間まったく音沙汰の無かった晴一が何の前触れも無く千波のまた前に現れる。
晴一の来訪の真意を測りあぐね最初千波は戸惑うが、以前と変わらず明るい態度で接してくる晴一に、千波は忘れようとして忘れる事の出来なかった恋心を次第に抑える事が難しくなってしまい……。
田舎町って本当うわさが広まるのはあっという間です、放課後○○くんとXXさんが一緒に帰ってた…という場面を誰か一人にでも目撃されると次の日にはほぼ学校中に知れ渡っている…これって全然大袈裟でもなんでもないんですよね、私なんか高3の時転校した先の高校で他のクラスから見物人が来たもの…。転校生珍しすぎて(笑)
この話もそんな小さな田舎町で代々その地、脈々と受け継がれてきた家系を守りながら暮してきた地元の少年と、都会から転校してきた明るく活発な少年の物語…(あれ?)
取立て派手な設定でも無い普通のラブストーリーと言う感じなのですが、だからこそなのか切なさとか優しさが胸にじんわりと染み入ってくるようなそんな感じがしました。
千波の家はその田舎町で代々続く旧家、町の人間からは慕われ何かと頼りにされるのだが、狭い町ゆえ隠し事も出来ないくらい筒抜け状態なのです、二人は高校生のころに一度思いを確かめ合って、一緒に東京の大学を受験し、東京で二人で暮そうと約束していた。
千波も晴一のことが好きだったから晴一のその提案に依存は無かった。
何事も無かったら多分二人は東京の大学を受験して一緒に東京で暮していたでしょうねきっと。
しかしそうは問屋がおろさないのです、晴一を好きだと言う女の子がいて彼に告白までしたのに、その子は晴一に振られてしまった、二人で始めて海に出かけた日、二人が駅にいて町から出て行くところを目撃したのはその女の子で、二人の気持ちを知っているのはこの女の子だけだった、子供じみた嫉妬心から彼女は「晴一くんは駆け落ちした」と意味深な遺書を残し自殺未遂です。
二人がその事件を知ったのは海に行って雨に降られそのまま雨宿りをさせてもらった民宿で無断外泊をして帰ってきた次の日…。
狭い町ゆえにうわさはあっという間に広がって町中がその騒動を知る事になるわけです。
それぞれの想いを確かめ合って、幸せの真っ只中にいた二人をどん底にまで叩き落した大きな事件、どんなに思いあっていたとしても二人ともまだ未成年。
若いからこそ無茶も出来るけど、若いからこそまだ未熟で脆い…。
そんな騒動を起こし、それでもそれを無かった事にして一緒に東京に行く事が出来るほど、千波が強くはなれなかったとしても無理は無かったのかもしれませんし、そんな彼の事を誰も責められないだろうと思う。
互いの事を思いながらそれでも叶えられずにいた8年間の月日、その間に二人はどんな思いを抱えて日々を過ごして来たのだろう、8年経ってからもやっぱり変わらず好きだと思えるから、自分の転機とも居える時期に思い出すのは相手の顔で、だからこそ今度は傍に居て欲しいとそう思ったのに違いないのです。
最後のどんでん返しとも言えるシーンでは、どうしてだよ神様そりゃ無いだろう?とまた誰かを責めたくなりました、空回りする自分の思いに押しつぶされそうになりながら、それでも千波は今度は決してあきらめなかった、それは8年と言う歳月の間に身に着けた彼の強さなのでしょう。
千波の決断は、代々その土地で中澤家を守り通してきたとのだという誇りを持っている祖母の事を傷つける結果にもなったのだけれど、本当に自分の強い思いを叶えたければ傷つく人が何処かにいるという事実は避けようが無いの物なのかもしれません。
千波が自分の気持ちに正直になれて本当によかった、あきらめないで居てくれて良かった。
8年前の千波の選択は多分間違っては居なかったのだと、私はそう思います。
そう思わせるようなラストでした。
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Comments:2
- あすた 05-10-05 (水) 10:44
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こんにちは。読まれたのですね♪
>8年前の千波の選択は多分間違っては居なかった
私もそう思います。
家族や、住んでる町を大事に出来る千波だから、晴一も魅かれたのではないかな、と思います。
TBさせてくださいね。 - Jura 05-10-05 (水) 10:52
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あすたさんこんにちは
そうです、読んだんですよ~
さっそくTBさせていただこうとおもってこの間あすたさんの
所にいったらサーバー込み合ってたみたいで表示されなくて
そのままになってましたごめんなさい。>家族や、住んでる町を大事に出来る千波だから、晴一も魅かれたのではないかな
そうですよね、付いてきて欲しかったけどあの時は来ないってわかって
たんじゃないかなと思います、晴一は、だからこそもう一度にかけたのかもこちらからもTBさせていただきます。
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- 8年目の約束【うえだ真由/illust 紺野キタ】 from 詞の音
- trackback from MOUSOBI@ボーイズラブダイアリー 05-10-05 (水) 11:14
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8年目の約束
最近ちょっとマイブームのうえだ真由新刊です。
幼馴染みものです。紺野キタさんのサワヤカな表紙がまぶしいです。
電車の中で安心して読める挿絵だ縲怩ニ喜んだものの、よく考えたら、いい年した大人が、人前で、挿絵のついた文庫を読んでる時点で問題かも。「8年目…
- trackback from B-Life.SS 05-10-09 (日) 0:43
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[BLS] 8年目の約束
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