- 2006-02-01 (水) 12:10
- BL小説(作家名・さ行) | 桜木ライカ
家出同然で故郷を出てきて10年、ススキノで本田という男に拾われてから彼が斡旋してくれる男たちに自分の躯を売ることを生業にして来た芹沢直之(せりざわ なおゆき)本田とは数え切れないほど躯をつなげてきたけれど、客を斡旋する側の彼と男娼の自分には超えてはならない一線がある事も分かっているつもりだった。
辛い過去を背負いながら結局は自分自身を売り物にしている今の生活に自責の念を感じながらもなかなか足を洗う事が出来ないで居た直之はしかし、年齢を重ねるにつれ先に何も希望の見出せないままの今の生活に次第に焦りを感じ始めてもいたのだ。そんな折、決別し再び逢う事も無いだろうと自分では思ってい相手弟の昌孝に、思いも寄らぬ場所で偶然再会してしまう。
当時まだ小学生だった弟の昌孝が自分の想像していたよりも遥かに男らしさを備え成長している事にどこか馴染めず、自分が今何をしているのか嘘をつかなければならない事にも罪悪感を覚える直之なのだけれど…
3作目の桜木さんの本です、本がやって来てまず私がすることはぱらぱらと拾い読みして中身の確認、これで9割がた自分にあった話かどうか分かる、この時に、これ…なんか違うかもと少しでも思うと本格的に読み始めた時に苦労する事になるのでこの作業は自分にとってかなり重要。
出版社サイトさんにこのお話のSSが掲載されています、本田と直之の馴れ初めともいえる短編です、先にそちらから読むと二人の関係が分かりやすいかも。
やはりWEBでも人気のあった方だけに作を重ねるごとに文章に深みが…そして作を重ねるごとに痛みも増しているような…。
あぁまた前回に続いて苦手な絵師さんだよとか思いながら、本を開いてまた2段組なのに驚かされ(笑)しかしWEBでは細かい文字だとへたれてしまう私なのに、紙媒体だとそれが全然平なのですよね、まるでつるりとのど元を滑るうどんのごとく(どういう譬えよ)何の苦も無く私の脳内に浸透してくるのですね、この方の文章は、同じ痛い系で言うと私にとっては木原さんと同じような感じ…
ただ苦手な部類なので(痛い系)読むのはどきどきですけどねどちらも。
あ、あ、来る、いや、嫌だ…入って来る…なんてはじめての行為におびえる受けみたいに…慣れないものだから受け入れるのに時間がかかるんですよね……って違うだろっ!!
恒例の(?)読んでまず最初の感想
本田ちゃんって…ほんと莫迦よね縲怐iちょっと薹が立った感じのおネェ言葉で読んでいただけるとありがたい…ってどんなんやっ!!)
一番最初の「あいつの腕まで縲怐vの月村にしろ、「嘘と本音と縲怐vの宗典にしろどうしようも無い奴らばかりでじゃありませんか、みんな見た目はかっこいいんだけどさ…桜木さんってもしかして莫迦な攻めを書くのがお好き?^^;)
その中でも特にこの本田の莫迦さ加減は遺憾ともしがたいです、本田に特別視されていることに全く気が付かない直之も直之なんですが、彼の場合自分の立場を考えればあの心理は仕方が無いよな縲怩ネのでどうしても本田の方に怒り(?)その矛先が
てめえがもっとしっかりしてればこの子の傷がもう少し浅くてすんだんだろうが、このすっとこどっこいのおたんこなす!!
みたいな感じでしょうかね?
はっ!と良く見ると私ったらすごい事を書いてる、莫迦、莫迦言うけど決して桜木さんの書かれるお話をけなしているわけではないんですよとここで取り繕ってもだれも信じてくれないような…orz
今回は沢山の登場人物がストーリーを盛り上げてくれていますね、特に注目したいのが直之の弟 昌孝(まさたか)弟といっても彼は直之の母の再婚相手つまり義父の連れ子なので血は繋がっていない義弟に当たる人物なのです。
七つ年下そして義兄弟…あぁ、背徳のかをり…
年下攻めスキーの血が騒ぐ縲鰀
なんて美味しいカップリング
あ…当て馬だった。
しかし、当て馬は当て馬でも良くありがちな、当て馬の香りがするとか、ことに及ぼうとした寸前で攻めが助けに入り行為に失敗するとか言う風な、なまっちょろいタイプの当て馬じゃ全然無いんですよね。
攻めの本田と直之の関係よりもこの二人の関係が私的にすごいツボだった縲怐B
いっそこっちとくっついてくれちゃっても構わないわよ!ってなくらい(笑)
しかしそうなると今度直之ますます親に顔向け出来なくなっちゃいそうで、そのあたりちょっと可哀相ですからね。
それに、よくよく考えてみると昌孝も他の奴らと似たり寄ったり…
あいたた、痛いな縲怩スめ息が出るよ。
それにしても自分の躯を元に、それを切り売りするような仕事をするってどんな気持ちだろう。私自身サービス業(?)ってスナックのホステスさんを数ヶ月ほどやった経験しかないです、場所的には大阪の南だったけど小さい店だったしな、ノルマも無いよなアットホームな店だったからな、だから直之の本当の気持ちを量ることは出来ませんが、10年もってすごいよね。どんどん仲間の顔が入れ替わる中で年齢だけは重ねて、しかし先の見えない不安にいつも苛まれていたのでしょうね。
普通の仕事をしようと思ってみても自分の今までが今までだったものだからおいそれとは踏ん切りがつけられず…。
しかしまた運良くまともな仕事につけたとしても、次はまた自分の過去におびえて暮らさなければならないわけです、田舎って閉鎖的だからある意味怖いですもの、うわさなんて広がるのはあっという間ですからね私も小学校1年から高校2年までの約11年の間人口3万に満たないような小さい田舎町に暮らしていたので良く分かる。
その閉鎖的な田舎町で同じ学校に通う生徒に輪姦されるという辛い過去を背負ったまま、売りを続けて更にまたあーんな事やこーんな事も経験して人に言えない過去がまた増えてしまったりするわけです、とことんやられてるな直之(涙)
だからさ、やっぱり尚更本田のへたれ度が癇に障るのよ!!
成人男性が一人ある日突然、忽然と姿を消したからといって捜索願だしても警察は何の手立ても打ってくれないのよ!!
もしも実際この男が自分の知り合いだったらものすごくおばちゃん的説教をしてしまいたくなりそうよ私…
直之にも色々言いたい事はあるけども、自分だってそんなたいした人生送ってないしね縲怐i笑)辛い経験を重ねてしまう事になった分だけ、彼には幸せになって欲しいと思います。ぎゅーと抱きしめてあげたいよ、ヨシヨシと頭を撫でて、頑張るのよこれからはもっと自分を大切にねなんて分かった風な事も言ってみたり。
昌孝には早く兄ちゃん離れして新しい相手見つけなよなんて…
ずずっと鼻なんか啜り上げて、思い切り母親の心境…^^;)
うん…でもほんと…
でないとおばちゃん本当に説教しに行っちゃうからね(どこに?)
「年月を経てなお想い募らせて 触れる温みにやがて癒され」
こんな感じかな?
うーんもう後一ひねりって感じかな?あとの14文字が今ひとつだな…
しかし、懲りずにもう一個
「下の名を聞くのはこれが初めてと 知らずに十の年月重ね」
言葉にしなきゃ伝わらない想いというものはどんな関係でもありうるものです、これからもがんばって欲しいですというエールも込めて、私もこれから出版社に読者カード送らせて頂ます(笑)

氷蝕~十年目に告げる愛~/桜木ライカ(ill実相寺 紫子)
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Comments:6
- suzuya 06-02-02 (木) 19:02
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こんばんは縲怐I
>七つ年下そして義兄弟…あぁ、背徳のかをり…
「当て馬万歳!」(声を大にして)
ってか、正直、私も昌孝とくっついてもいいと思ってました(笑)あああ、「当て馬」「兄弟」「年下攻め」…。こんなに美味しい設定なのに…、残念でなりません(ギリギリ)桜木ライカさんの作品、Juraさん的にオススメはありますか?
- Jura 06-02-02 (木) 19:34
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suzuyaさんこんばんは縲彌n
>「当て馬万歳!」(声を大にして)そうです、そうです当て馬万歳!(笑)
すごく美味しい設定でしたよね。桜木さんお勧め本ですか…
suzuyaさん当て馬スキーなら前作の「嘘と本音としょっぱいキス」なんてどうでしょうね?主人公たちの年齢設定は低めだけど、あれにも非常に美味しい当て馬が(笑)
なにしろまだデビューされて3作目なのでこれからかなぁと言う気がしています。ではではコメント&TB有難うございました
- 櫻井サクラ 06-02-03 (金) 14:30
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こんにちは。
あれだけ酷いことした昌孝が許されて、何にもしてない本田がボロクソ・・・自業自得ですがね。
やはり、捜索願にはカチンと来ましたか・・・ホントに説教通り越して殴りに行こうかと思いましたよ。フォローじゃないけど、決して駄作じゃないんです縲鰀-、よね?
駄目駄目なのは本田だけで。では、また!
- Jura 06-02-03 (金) 14:50
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サクラさんこんにちは
>あれだけ酷いことした昌孝が許されて、何にもしてない本田がボロクソ…。
だって、本田ったら自分からは何にも動こうとはしないんだもんあれは酷すぎますよ縲彌n駄作じゃないです絶対に!本田が駄目駄目なだけ(笑)
誰か本田殴って欲しかったですね、あれ?昌孝がやりましたっけ??コメント&TB有難うございました
ではでは
- ナルミ 06-02-14 (火) 0:06
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こんにちは。
Juraさんはイタイのダメなんですね。心拍数あがっちゃう?
私は興奮して上がっちゃう<コラコラ
今回はようやく作家の本領発揮って感じでした。
で、私は本田さんってどうしようもないよね!の前に、28にもなってさ、でした(苦笑)
多分職場に、40にもなってさ、なおじさんがいるせいだと思います…現実ってこわい。しかも綺麗じゃないしー。報告:TBさせていただきました。
- Jura 06-02-14 (火) 0:18
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ナルミさんこんばんは
痛いの…これくらいの痛いのなら大丈夫ですね。
直之にも言いたい事かなりあったのですけどね、それ書いてるとすごく長くなりそうだったから止めたのですよ(笑)
なんかもうそれぞれ「やれやれ…あななたちは……」って人たちばかりで溜息が^^;)この方のお話を読んでいると、いつも母親目線になってしまうのはなぜのでしょうね?
コメント&TBありがとうございました
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- 氷蝕~十年目に告げる愛~/桜木ライカ from 詞の音
- trackback from plastic-paradise 06-02-02 (木) 18:43
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氷蝕 -十年目に告げる愛-
【氷蝕 -十年目に告げる愛-】
桜木ライカ / 実相寺紫子
(SHY NOVELS)「直之、なんか着ないと」
「なんで?」
風邪をひく、と間抜けな男は言うのだ。裸の自分を前にして、
「風邪をひく」だって?
【あらすじ】
キスがへたくそな男娼の直之が本田と知り合って、今年で十年になる。本田の下の名前も知らなければ過去も知らなかったのだが、この十年ずっと一緒だった。本田に抱いて、触って、キスしてもらう。それだけで十分で、本田が自分のことをどう思っているのか、それは踏み込んではいけない領域だった。曖昧なふたりの関係が、この冬、大きく変化することになり!?十八歳以上推奨、アダルトラブ!!氷蝕~十年目に告げる愛~桜木 ライカ, 実相寺 紫子 / 大洋図書(2006/01/26)Amazonランキング:位Amazonおすすめ度:Amazonで詳細を見るBooklogでレビューを見る by Booklog
【ここがツボ!】
いやぁ、最近のSHY NOVELSにはハズレはありませんねぇ(しみじみ)今回もお目当ての榎田尤利さんの「執事の特権」を買いに書店へ赴いたんですが、表紙に釣られて思わず手に取ったこの本も、えらいごと萌えるお話でしたよ(ほぅっ/溜息)最初のページをめくると、いきなり「イメクラプレイ」でした(笑)さすが「男娼」!教師と男子高校生との進路指導室プレイで幕開けです。いきなり度肝を抜かれました。何が驚きかというと、主人公の直之のプロに徹した姿勢でしたが。
主人公の直之は18歳の時に本田に拾われてから、28歳になる現在までの10年もの間、本田に紹介された客だけに身体を売る「男娼」をして生きてきました。
「男娼」っていう言葉が時代がかってて面白い。近頃は、若い男の子や女の子が「売春」をしてお小遣い稼ぎをすることを、「援助交際」とか「援交」とか言う言葉で誤魔化してしまうじゃないですか?それを「直球」で「男娼」って表現することで「それを生業にしてしか生きてゆけない」という切実さが感じられました。
私は身体を売ったことはないのですが(当たり前だ)大学生の頃、水商売っぽいバイトをしていたことはあります(え?)若さというのは、それだけで価値のある「売り物」なわけで、「18歳の女子大生」という肩書きだけでお金持ちのおっさんたちが鼻の下を長くして、ともすれば自分の娘と同じ位の年頃の小娘にデレデレしてるのを不思議な気持ちで眺めていました。
でも、それはあくまで期間限定な生モノなんですよね。私なんかはただの腰掛バイトだったんですが、お店の「レギュラー」と呼ばれるお姉さま方の中にはそろそろ「いつまでもこんな仕事は続けられない」という危機感を漂わせている人とかもいて、でも「こんなに美味しい仕事を知ってしまったら、今更他の仕事はバカバカしくてする気になれない」と自嘲気味に語っていたのを今でも思い出したりします。
主人公の直之もそう。若い頃は自分の若さと美貌に自信を持って「男娼」という仕事をしていたけれども、気がつけば28歳。そろそろヤバイと思いつつも他にできることも思いつかない。だって彼は自分の人生の岐路とも言える時期に「金の為に身体を売る」ことしかしていなかったんですから。人生の一番輝かしい季節をそんな風にしか過ごせなかった直之。仕方無かったとは言え、後ろめたさはずっとつきまとうわけで。
そんな直之の心の拠り所が10年来の付き合いの本田という男で。この本田という男と直之のなんとも微妙な関係がツボでした。女衒(男娼の場合は男衒とでも言うんでしょうか?/笑)と男娼という関係だけでは括れないような関係。だって、それだけの関係で10年間も肉体関係が続くとは思えないですもん。お互いに何か特別な感情を持ちながらも、それに触れないように、目を逸らして平静を装っている…そんな感じ。
そんな二人の関係の均衡が崩れる日が訪れるのでした。
(私の大好きな「アレ」ですよ、しかも今回の「アレ」は…)以下、ネタバレです縲彌n
食材
- trackback from 櫻井サクラの日々徒然・BL編 06-02-03 (金) 14:32
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氷蝕 ~十年目に告げる愛~(桜木 ライカ/実相寺 紫子)
桜木ライカ先生は初めてです。前2作はカバーのオレンジ色のせいか元気でポップなイメージがしてちょっと違うかな・・・と読まず嫌いしておりました。今作は男娼が主役ということで購入。 何故、男娼が好きかというと人生投げちゃったり落ちぶれちゃった人が這い上がってきた..
- trackback from naruming Diary 06-02-13 (月) 23:58
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『氷蝕 竏衷年目に告げる愛竏秩x≪桜木ライカ著≫
ようやく『桜木さんらしい』作品の登場という気がした1冊です。
痛さ加減もなかなかのものでございました。
痛いのスキーなので美味でございました☆私、この手の話は大好物です




