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君知るや運命の恋/あすま理彩(illust 如月弘鷹)

時は昭和初期、華族の家に生まれながら妾腹であったがために家の中では兄弟はおろか使用人達にまで疎まれ使用人以下とも言える生活を強いられている薄幸の美少年樋之口奈津(ひのぐち なつ)。
奈津の家と対立する新興実業家の息子日高眞一郎(ひだか しんいちろう)、奈津はずっと日高に想いを寄せていたが、自分の立場もあり彼の前ではそれをひたすら押し隠していた。

事業の邪魔をする日高家を疎ましく思っていた奈津の兄憲和はある日、日高を拉致し奈津たちが住む屋敷の座敷牢に監禁してしまったのだ。
それを知った奈津は日高の世話をしたいと申し出て、日高の気持ちを懐柔することを条件に許しを得て、酷い怪我と目をやられて一時的に何も見えなくなっている日高のために献身的に尽くす奈津だが。

奈津の機転によって樋之口家から解放された後、何も知らないままギリスへと留学してしまった日高が5年の歳月を経て奈津の目の前に再び姿を現した。

「さようなら」と名も告げずあの日別れたことを自分は後悔などしていない、2度と逢わなければ忘れられるはずの恋だったのに……。

しかし、以前よりもずっと男らしさを備えた日高を前に奈津の募る思いは尚更止められず……。

あすま理彩さんの本を最初に読んだのは確かプラチナ文庫から出ている「略奪は愛を込めて」だったと記憶しています。
実はこの方の本は、少し興味はあっても今までは自分で買おうとは思わなかったのですが(最初に読んだ本すら借り物だったし…)これだけは別格でした。
購買意欲を掻き立てられた理由は、時代設定と絵師さんの如月さんに思い切り釣られたから。
好きなんですよね昭和初期とか大正ロマン(笑)
如月さんの絵はどの攻めであろうが受けであろうが、表情、ポーズ、数々の体位(ぇ?)どれを取っても一つとして嫌だと感じる部分がない私にとっては唯一の絵師様なのです、うーんそれくらい好きvv

大好きな時代設定に大好きな絵師様これはもう買うしかないじゃないですか!
注文し家に届いてから数日間は、一番先にやる拾い読みも特にせずにただ挿絵だけを眺めては一人悶絶する日々を何日も繰り返しておりました(←馬鹿)
どんなに好きな絵師さんでもどこかに必ず「ここがちょっとな…」ってところがあるのですよ私、カラー絵は好きだけど、モノクロの挿絵になるとな~って方も中にはいるのだけど、如月さんの場合それが無いので、挿絵のたびに発狂状態です(←更に馬鹿)

花丸文庫さんは読むのは初めて開いてまず微妙な違和感…
ん?なんか変…なんだろうとか思ったら口絵が無い、普段なら口絵なんてどうでも良いっつうか、エロっちい口絵だといらないくらいなんですが今回ばかりは如月さんの絵を一枚見損ねて損した気分にさせられました(ははは、やっぱり馬鹿だ…)

そして、肝心の本文です(前置き長すぎだから…)

敵対する家の息子同士として生まれ育ちお互いに相手を疎ましく思いながらも(奈津の場合は疎ましく思う振りですが)なのに何故か惹かれてしまう気持ちが止められない。身分差が生み出す確執と家同士の抗争に巻き込まれ翻弄される若い二人、……BL版和製ロミオとジュリエット…むふ♪

許されぬ恋とか背徳のかほりぷんぷんですね、ふふ…

日高は樋之口の家に拉致監禁されている間怪我をした自分のことを献身的に介護してくれただけでなく、自らの危険を承知で逃がしてくれた人物を、その日助かってから直ぐ留学する事になった後、日本を離れていた5年間の間も「お前をここから助けてやる」と言った約束をずっと忘れる事はなく、自分の事を逃がしたために酷い目に合わされているであろう彼の事を探しているのですが、拉致されていた間薬で目を一時的につぶされていて何も見えなかったため自分を助けてくれた男が奈津であることを知らないのですね。

奈津は奈津で日高が自分の事を拉致監禁した人物が奈津の家(樋之口家)であることを気づいている事を分かっていたし、華族でしかも自分たちの邪魔ばかりする樋之口家をうらんでいることを知っていたので、助けたのが自分だと日高が知れば、敵に助けられたのだと思いプライドを傷つけるだろうから本当の事が言えなんですよね。

無理矢理身体を開かされて、言えと脅された後ですらなかなか口を割ろうとしない頑なな奈津に不信感と苛立ちを募らせる日高はその一方で自分はずっと奈津のことを手に入れたかったのだという事も自覚してしまう。

しかし、日高は奈津が家の中では妾の子として虐げられた生活をしている事を知らなくて、家の外で見る自分の前では頑なな態度の奈津しか知らないものだから、華族の奈津は自分たち平民を疎んでいると思い込んでいてなかなか奈津が自分を助けてくれた本人だと気が付かないのですよ。

それぞれの思いや立場の違い色々な物が交錯して絡み合ってるからもつれてこじれてお互いを傷つけあってしまって、更に二人の間にある溝が深くなってしまう。
本当の事を言えずに口を閉ざしてしまう奈津の気持ちもなんとなく分かるしそれが切ないんだけど、何度も「もう良いから本当の事いえよ!言ったとしても日高なら大丈夫だろ?」と焦れたり、なかなか気が付かない日高に「お前鈍すぎ!」と突っ込み入れそうになりました、そのたびにいいタイミングで挿絵が現れ、それ見てまた悶絶というお馬鹿な状況に陥ってしまったのですが……(笑)

この二人の関係とはまた別に出てくる登場人物、奈津の腹違いの兄憲和と日高に想いを寄せる奈津の従兄弟の高橋八起(たかはし やおき)の存在が少し中途半端だったかなぁと思いました、この二人がいるからって奈津と日高の間にそれが大きな原因で波風が立つとかそういう感じじゃないのですよね。

八起は途中で日高と奈津が躯の関係になったとたんその存在すら忘れ去られたように姿を消してしまうし、お兄ちゃんはお兄ちゃんで酷い人の割りに鬼畜度がやたら中途半端だし。
彼は何?奈津を薄幸に仕立て上げるためのただの伏線?かなり美味しい設定だったのにもかかわらず、たいした仕事してくれなかったんだもん、兄ちゃんったら縲鰀(←はたしていったい何を期待していたのでしょう…^^;)

良いんだけどさ、奈津が幸せになってくれればそれはそれで、まぁねぇ…。
最終的には日高の奈津への誤解を解き、日高と奈津をくっつけたのはお兄ちゃんみたいなものなので、最後だけは思いました。
「ブラボー兄ちゃんその点だけは褒めてやるよ」って(笑)
見ようによっちゃぁ、ただの馬鹿な兄ちゃんでしかないんですよね…うーん

という訳で、この二人の存在が生かしきれていない気がしてすごくもったいなかったです。

これってページ数の問題なのでしょうかね縲鰀
花丸文庫って他のと比べるとなんだか若干文字が太いような…
そして文章の書き方なのか隙間が多いような(笑)

気のせい?
桜木さんの2段組の奴読んだ直後に読んだから尚更そう感じたのかもしれませんけどね…新書版で2段組って原稿用紙にするといったい何ページなの??

あと、奈津の存在も微妙にそんな感じでしたが、八起が男である必要はどこにも無かったですね、まぁ日高にあの時自分を救ってくれたのはこの子なんだという勘違いをさせる人物として彼が登場してきたのだろうけど、育ちのよさを示したいがためなのか喋り方やしぐさが女っぽい……そのあたりもなんだか馴染めず。好きだと思うお話ではありましたが若干不完全燃焼気味です。

君知るや運命の恋
君知るや運命の恋/あすま理彩(ill 如月弘鷹)
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Comments:2

あけみ 06-02-04 (土) 0:12

こんばんは、Juraさん。
すっかりご無沙汰しちゃってます。

このお話、私もあらすじ読んで設定萌えで購入決定!でした。
イラストもツボでした。
あすまさんのお話の切な系は、結構好みかもしれません。
健気な受けちゃんに「やられた縲怐vって感じで。

続編希望の手紙を出さないといけませんね。

Jura 06-02-04 (土) 1:01

あけみさんこんばんは
そうそう、もう思い切り設定萌えでしたよ。
時代設定も、親が敵同士だったりとかそう言うのも。

奈津はほんとに健気で可愛かったですしね。その可愛さを如月さんのイラストが更に盛り上げてくれて。
挿絵を見るたびにどれだけ拳握り締めて声も無く躯を震わせたか(笑)
もう、挿絵だけで白飯三杯は行ける(…ってちがっ!!)
続編希望の葉書を出して、願いがかなったらまた悶え苦しみそうですよ^^;)

ではではコメント&TBありがとうございました。

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君知るや運命の恋

今日の1冊

君知るや運命の恋

『君知るや運命の恋』 作/あすま理彩 イラスト/如月弘鷹

華族制度の残る昭和初期。
(今で言うところの)高校の同級生の2人。
新興貿易会社の跡取り息子・日高眞一郎×侯爵家次男・樋之口奈津。
世間では、奈津は侯爵家の次男と….

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