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片思い/木原 音瀬

ちょっと家族で伊豆に行ってました、旅行中の車の中は私にとって格好の読書の場…なんて言うと聞こえ良いですが読んでいるのはもちろんBL本です(^^;)
良くパソコン無いからその間に腐を洗い流してください、とか言われるのですが私の場合残念ながら流せないんですよ、なぜなら、読んで無くっても自サイトキャラたちが勝手に頭の中で行動し始めるからです、気づいたらネタをノートにメモってますから…私にとってこれらの事は多分3度の飯より重要(あまり、褒められたことではありませんけどねぇ…ってなんか前にも同じ事書いた気がするな(ーー;)

木原作品です、これよりも先に「COLDシリーズ」を読みましてそれがすごくよくってツボに嵌って、感想を書こうとか思いながらどうやって纏めようか考えているうちにどんどん先送りになってます、多分感想を書く頃に再読しないといけない気がする…。

この本は2001年に発刊されています、雑誌掲載は99年の様ですのでかなり前の作品ですね…って良く考えたら本になってまだ5年くらいしか経ってないのですよね、5年前ではや「かなり前」って思っちゃう当たりBL業界の回転の速さを思わず感じてしまったりして。だってこの本も既に絶版みたいだし…。

コメディと言うほど軽くは無いのですが内容が明るめだと思います。COLDシリーズを先に読んでいるからか、どちらかと言うと明るくさわやか路線に最初微妙に馴染めませんでした。
しかもなんか主人公の吉本がやったらナルシストで、モデル張りの顔立ちと体躯ならしいのですが、ごめんよ…この絵でそれを連想するのはちょっとムリ…^^;)だって可愛すぎなんだもん。

吉本は勉強は出来て頭は良いのかもしれないけど人間的に見ると酷い欠陥があるのですよね。ある意味バカって言うか(酷い言いようです^^;)でもほんと、救いようないくらいおばかさんでプライドだけは高くって…そんな人間がスポーツくらいしか取り柄の無い三笠って男を好きになっちゃったもんだからさあ大変(笑
吉本は惚れっぽい三笠の行動に始終振り回されっぱなしだと思っているようですが、プライドばかり先行し素直になれなくて一番周囲を振り回しているのはこれ、吉本の方ですから。ほんと読んでるとむかつくくらいバカなんですよ、なのに…なのになんだかな「しょうがないな縲怐vってため息付いて手を伸ばしちゃうそう言う脆さ儚さみたいなものがあってほっては置けないと思ってしまう。

三笠って男は吉本とは正反対の性格で、やたら惚れっぽくって最初吉本が淡い恋心を抱いていた男のことを好きだと追い回していたりするのですがあっけなく振られ、その後も違う男に惚れては告白し振られての連続、かと思ったら今度は仕事先で知り合った女性と結婚を考えている…なんて、自分の気持ちに正直な様でいてある意味何を考えているのかさっぱりなのですね(笑)
最初吉本の事は全く眼中に無かったとか言う事なんですが、ほんまかいな!なんて事も思ってしまいます、何も考えてないように見せかけておいてその実吉本ぎりぎりまで追い詰めて逃げられないようにしておいてから全て計算づくで吉本を手に入れようと思っていたんじゃないの?
なーんて裏の裏を読んでしまいそうな言動が…これって吉本目線だからなのかしら?(笑

この二人人間の出来たもう一人の友人門脇の存在が無かったらどうなってたのでしょうね、門脇くん良くこんなバカ共の友人やってるな、えらいよ貴方は…
しかし吉本は三笠の何処を好きになったんだろうな~なんだかその当たりだけは謎のまま…。

表題作の片思いの他に

>恋は盲目
>華の宴
が収録されています。

>恋は盲目
これは片思いの吉本と三笠のその後の話しですね、片思いの時点では吉本は大学生、この作品の方ではそれから7年経ってます。
うーん、恋は盲目とはよく言ったものですね。

やっぱりココでも吉本が何で三笠の事を好きなのか良く分かりません(笑
それにしてもあとがきで作者様がご友人に「三笠をウドと呼ばないように」とかかれてます、ウドってあのウドだよね?…三笠=ウド(爆笑
あまりにもぴったりすぎて今度からそっちの顔で見えちゃいそうですから止めてください(笑)

>華の宴
これまたタイトルにはあまり似つかわしくない近親相姦物。
しかも痛くて暗いと来たもんだ(笑

はじめパラ見の時にさわりだけ読んでうわっ!って感じだったので少し読むのを躊躇してたのですが、読んでみると最初の二つより意外にこっちの方が好きかもしれないと今は思います。

主人公の雅人という男の子は両親の離婚によって父と暮らす事になり、その父親が再婚した相手とは相性が悪く、しかもある日義兄と父親がセックスをしているところを目撃してしまいます。

実はこの雅人の父親と言うのが男は短命な一族の血を引いていて、しかもその一族と言うのが、血縁者に近親婚を繰り返していたため、異常な容姿や特殊な性癖を持ちあわせている事が多い上に30歳以上になると狂い死ぬと言う奇病を持ちあわせているのですが、雅人はもちろん最初はその事を知らずに暮らしていましたが義兄が病死した頃から次第に父の様子がおかしくなりはじめた事によってその現実を無理矢理受け入れさせられることになってしまいます。

ある日雅人の父は雅人と折り合いの悪かった雅人の継母が雅人と自分を引き離そうとしたと言う事を理由に、自分の妻を殺してしまいます、そしてそれだけではなく「お前の事を愛してる」と雅人を犯し、雅人はその最中に自分が特異な一族の血を引いた人間だと言う事までも父の口から聞かされるのです。

私、この話しを読んでいると自分の知人の事を思い起こさずにいられないのです。知人と言うのは女性なのですが、やはり過去に血縁者に近親者同士の結婚で子供を設け人が居た様で、そこから女性にだけある特殊な病気が発症するようになったらしいのですね、私は病理関係に従事するような仕事をしたことが無いので詳しい事など判りませんが、今思うと「私の頭の中のけしごむ」という韓国映画等で近年注目を集めるようになってきた、「若年性アルツハイマー」のような症状なのかなとも思ったりもしています、若いうちは良いらしいのですがある一定の年齢に来ると病気が発症、進行していくにしたがって家族の事はおろか自分の事も理解できなくなってしまうらしいのですね、そして短命。
かなり低い確率で発症しない人も居るようなのですが、どうしてそう言う病気になるかと言うような事は全く判らないので発症しないように努力する事も出来ない…

自分が悪い訳でもないのに、何時発症するかわからない病気と闘わなければならない恐怖とか苦悩とか本人以外には計り知れないものを背負って。それでもそれを丸ごと受け止め結婚し子供を作って育てて…子供を育てながら常に不安感見たいな物に苛まれていたのではないかなと思うのですよね、先が見えない自分の将来、子供の将来、それと常に対峙しながら生きていかなければ行かない苦悩、もちろん一人っきりで戦ってきたわけではなく、旦那様や家族の支えがあったからそれが出来たのでしょうけど、それを苦に自殺した方も居るのだと聞きましたし、事実その方も娘さんが結婚した事も判らないまま亡くなってしまいました。その方の娘さんと言うのが私の知り合いなのですが、ほんと思いやりがあってすごく頑張りやさんでいい子なんですよね。彼女のお母さんにお会いした時はもう既に病気が発症し自分の事すら出来ないような状態でしたからお話なんてもちろん出来ませんでしたけども、そんな母を支えて人生を諦めないで自分の足でしっかり歩いている、そんな彼女を見ていると元気だった頃のお母様がどういう人だったかすごく良く分かるような気がします。

何でここでこんな話を持ち出したかと言うと、この話しに出てくる主人公の雅人も同じような境遇なわけですよね、彼の場合もっと酷い方法で自分の置かれている現実を知る事になってしまう、父に犯されて人に触れられることに恐怖を感じてしまうと言う事以上にこれから先自分も父と同じ病気になるかも知れないと言う事にまで脅えて生活しなければならない訳だから二重、三重の苦しみを味合わされるわけです。

それまでも両親の離婚、そして継母と折り合いが悪かったり、義兄が父と出来てたりとかなり苦行を強いられているのになんで又更に?
と、どうしても思ってしまうような展開でラストを迎えて…

心に大きな傷を負ったままそれでも生きて行くことを選んだ雅人を先に高校に入学していた友人の政宗が迎え入れるのですが「守ってやれなくてごめん」と言って泣いた彼が雅人の身に起こった事全てを知った上で雅人を受け入れようとするその姿に胸打たれます。彼はこの話しの中で雅人にとって常に唯一の救いとも言える存在。

私の知人が自分の病気のことも丸ごとひっくるめそれを受け入れ自分の人生を歩み、そして、それを理解した上で彼女と結婚を決意してくれた男性を見つけ、もう一つの人生を歩み始めた様に、雅人にとって新しい人生の支えが政宗であってほしい、政宗と関わる事でこの先の彼の人生少しでも良いほうに向かっていってくれればと強く願わずには居られません。

じゃないとあまりにもむごすぎますから。

オンライン書店ビーケーワン:片思い
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