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12の鐘が鳴る前に【ひちわゆか / 円陣闇丸 】

久しぶりのひちわさんです、といっても新刊とかではありませんけど…
この間作家さんのタイトル一覧を書いていたらひちわ作品気がつけば20冊、残すところあと5冊くらいでしょうか、ずらずらと並べてみるとひちわさんって殆どビブロスでしか書いてないのですね、ルチル文庫から出ている「お願いダーリン」やら「六本木心中」も再販物で元はビブロスから出ていたのですよね?

ひちわさんあとがきを見ると毎回必ずの様に「遅れてスイマセン」と言う謝罪の言葉が目に付きます、この本もその一つ(笑
そういえば初めて読んだひちわさんの「今宵、雲の上のキッチンで」にも同じ言葉がそして多分もっとも遅れているのが「プラクティス」の続編、私この続編予約して途中で一度取り消されたのですが、ビブつぶれて尚更あやしくなってしまいましたね^^;)

これは、元医者と高校生の組み合わせってことで年の差カップルでもあります、一回り以上の差があるのかしら?このくらいの年の差って「TOKYOジャンクシリーズ」のメインカップル以来??
以前は優秀な医者だったとは言え、この物語の時点では病院を辞めてて無職だから攻めが世界に名を馳せるほどの大金持ちってわけでもないし超エリートってわけでもなくて、受けくんも普通の高校生で、ひちわさんにしては珍しくSMも無いおとなしめの作品…とおもったけど「乳首」だけはしっかりあるってところがちょっと笑えました(笑

3歳の頃産みの親を亡くし、新しい母親に中々馴染めなかった幼い頃、自分を勇気付けてくれた男性の落としていった懐中時計の鍵を巡り、三上という男の紹介で叶と言う男の骨折した足のギブスが取れるまでの間身の回りの世話をすることになった朋也

三上の話を聞いて、世話をするのは老人だとばかり思っていた朋也ですが、実は叶は思ったよりもずっと若く、しかも皮肉屋で傲慢で人嫌いと三拍子もそろった嫌な男だったのです。
会ったその日に朋也に「35点」と点数を付けるわ、金をばら撒いてこれもって家に帰れと追い出そうとする始末。

それもそのはず、実は三上の仕事は借金を作った若い男を金で釣り男を斡旋するようなデリヘル(デリバリーヘルス)を経営していたのです、叶は朋也を三上の店の男の子だと勘違いしたらしい、大学生だと年を偽っていたし無理も無いとは言え調べもせずに頭ごなしにそう思い込むなんて、叶はかなり早合点でおっちょこちょいですね。

そんな風にして嫌がらせをされるものの、負けず嫌いの正確が災いし、一度引き受けた仕事を途中で投げ出す事は出来ないと叶の家に通い続けるうちに、彼の隠れた優しさに触れ朋也は少しずつ叶を受け入れて行きます。

この話し、叶の優しさや朋也の純粋さにすごく惹かれます。

最初叶の事を皮肉屋で人嫌いと書きましたが、叶は昔から皮肉屋で人嫌いだったわけではないのですよ、彼が人嫌いになった理由は両親の死へと結び付いています、父親を先に事故で亡くしたとき車に女が同乗していた事がわかるのですが、その女と言うのは自分たちの知っている人で、母だけをずっと愛しているのだと思っていた父に愛人がいた、しかも母と結婚する前から続いているその彼女には自分よりも年上の子供まで居た事までわかってしまうのですね、それが元で母は精神を病んで最後には事故だか自殺だかわからない様な死を遂げてしまうのです。
叶は医者と言う自分の仕事が忙しくてそんな母の面倒を自分できちんと見ることが出来ず母を死なせてしまった事でずっと自分を責めながら生きてきたのですね。

信じていた人間たちの裏切り、そして自分の力では結局何もしてやれなかった母親の死叶の心がすさんでしまうのは当たり前だったのかもしれないです。

そんな叶が朋也と接する事で、苦労知らずだと思っていた彼の隠された苦悩や、彼のまっすぐさに触れて癒され又もとの優しさを取り戻して行くその過程がすごく好きでした。

なんちゅうかこの、二人の視点が上手い具合に入れ替わって二人の気持ちが割りと満遍なく判るので過不足なく楽しめる気がします。
以前ひちわさんの書かれた作品「キャンディ」の中でHシーン一度も無いのに、シュークリームを食べさせるシーンがやたらエロかったと書かれていた方が居ましたが、この話の中でもワインゼリーを食べるシーンがありまして、それがまた妙にエロっぽいです、ひちわさんってさりげなく小道具使うの上手いですよね。

しかしいくら思い込み勘違いしていたとは言え、朋也の事をずっと三上の店の子だと思っていて気づかない叶はすごいです(笑
銀行に借金してまでお金を作り、三上に「これで朋也を自由にしてやってくれ」なんて言っちゃったりするんですよ、朋也見てたらそんな事なんてやりっこないって気づくだろ普通?
そんな叶は、早合点やおっちょこちょい以上にかなりのおバカさんとも言えましょう
「恋は愚かというけれど」と言う邦題の歌がありますが、これも相手を思うが故の愚かさです(笑

最後まで投げ出さずに頑張ったいい子には神様がちゃんとプレゼントを考えていてくれるのですよね、朋也には嬉しいおまけが用意されていて見事めでたしハッピーエンド。
ひちわさんの作品ってやっぱりいいなぁと思った一冊でした。

12の鐘が鳴る前に
12の鐘が鳴る前に

Comments:2

月子 06-11-04 (土) 18:24

Juraさん、こんにちは☆

私も、朋也のことをずっとお店の子だと思い込んでいた叶ってすごい…と思いました(^^;)
あと、一応銀行から借りちゃった後なので、すぐに返済できるとは言え利息ってどれくらい払わないといけないんだろうな縲怐Hと、なぜか微妙に気になりました(笑)

ひちわさんの作品はこれが2作目だったんですが、とってもお気に入りの一冊となりました♪
朋也いい子ですよね縲怐B
それに2人のやりとりがおもしろくて。
私がBLにはまって4ヶ月、ひちわさんの新刊って見てないような気がするんですが、新刊があれば即買いしてしまいそうな作家さんです。

TBさせてください♪

Jura 06-11-08 (水) 13:56

月子さんこんにちは
お返事遅くなってごめんなさい。
朋也はほんと良い子ですよね。
叶が惚れちゃうのわかるわ(笑)

ひちわさんってムードつくりの非常にうまい方だなといつも思います。
新刊……最近全然、新しいのを出す気配なしなのですよね。
リブレに数名で作品書かれる合同作品の中の執筆者の1人としてお名前が載っていたので全く書かなくなったわけではないのでしょうが、続き物の新作楽しみにしている読者の1人としてはそちらも頑張って下さいと言いたい(笑)

何はともあれ新作でたら私も真っ先に買いに走りたいと思う作家さんの1人です。

コメント&TBありがとうございました縲彌nではではまた!!

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trackback from 裏・月子の書斎 06-11-04 (土) 18:16

『12時の鐘が鳴る前に』

ひちわゆか(絵 円陣闇丸)/ビブロス(2003・3月)
【あらすじ】「服を脱いでサイズを測れ。まず胸からだ」高校生の朋也が家政婦として訪れた、荒れ果てた古い屋敷。そこの主・叶は皮肉屋、傲慢、人ギライと三拍子揃った嫌な男だった!出会うなり「乳首のサイズを測れ」と高飛車な命令。当然反発した朋也だが、だんだん叶の隠れた面を知り、彼に惹かれていって…!?「服を脱いでサイズを測れ。まずは胸からだ」
「そんな貧相な胸囲なんかどうだっていい。測るのは、乳首と乳首の間の距離だ」
「次は乳輪の直径だ。手を抜かずに両側測れ。相似じゃないはずだ」

…と、物語冒頭でいきなりの変態プレイが登場しますが、このお話はけっして変態プレイがテーマなお話ではありません(笑)
むしろ、びっくりするのは冒頭だけで、後はかわいらしく優しいお話が続きます♪
いや縲懊€怩アれほど、物語の隅々にまで気を配り、随所に萌ツボを配置しているBLはそうはないと思います。
冒頭から結末を予想できるものの、問題はその【過程】なんですよね。
その【過程】が驚くほどよくできていて、随所に散りばめられた笑いのツボ、萌ツボが五感を刺激し、もう読んでいてどれほど受の朋也が愛しくなることか!!!

朋也はあることをきっかけに、三上という風俗関係を経営する男と知り合い、三上の親友である叶の家政夫としてバイトすることになります。
叶は三上のせいで足を骨折し、家で引きこもっていました。
自分のせいで…という負い目があるので、三上は叶に自分の経営する男子専門のデリヘルから男の子を派遣していたんですが、人間嫌いの叶はすぐに追い出し。
仕方なく三上は高校生の朋也を派遣するんですが、今まではデリヘルから派遣していたものだから、叶はてっきり朋也もデリヘルだと思い込み、↑の変態プレイを強要し、追い出そうとします。

朋也と叶のやりとりがとにかくめちゃおもしろいです!!
朋也は、もうめちゃくちゃ健気でかわいくて芯の強い子です。
朋也の、ナイスボケかわいい天然エピソードはたくさんあって、例えば、
〓優秀な外科医である叶に届けられたお中元の車海老を、「食べるのはかわいそう」との理由から、水槽で飼っちゃいます!(笑)
〓その車海老を、叶は「ナマモノは新鮮なうちに…」とか言って、食べちゃいます!(笑)
〓その車海老の残骸を、朋也は庭にお墓を作って埋めちゃいます!(笑)

ぎゃはははは(≧∀≦)
もうこの2人、天然漫才コンビです!!(爆)
1つ1つのエピソードが楽しくておかしくて、でも切ないエピソードもあって、全体的なバランスが最高。
2人が少しずつ惹かれあう過程がきちんと描かれているので、無理なく感情移入できます。
読み終わると幸せで優しい気持ちになれる作品です。
腐女子に生まれたからには、一度は読みたい作品です

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