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華宵楼恋歌【深山くのえ / illust みなみ遙】

2冊目の深山作品です、やっぱり楽天のスーパーポイントが貯まったので買ってみました、これのほかにももう一つ「籠の鳥は夜に囁く」を買っているのですがこちらの方が気になったのでこっちを先に読んじゃいました。

私にとっても2冊目ですが、作者様にとっても2冊目の本みたいですね、これ…あとがきで知りましたがデビュー作である「花色の戯れ」のリンク作品…と言ってもストーリー自体は別物で「花色~」の登場人物がこの話の中に出てくるとかそう言うわけではないので知らない方でも楽しめます。(ってか私自身「花色~」はまだ読んだ事ないし(^^;)
どこがリンクしているのかと言うと、こちらの方にちょこっと出てくるさる方が「花色~」の方にも出ているのだそうですよ。

今回の舞台は中国です、妓楼館が中心のお話なのですね妓楼館は、日本で言うところの遊郭とか女郎館みたいなものでしょうかね。
登場人物の名前が中国風って言う事の他に呼び名の後に「○○哥哥(コゥコゥ/おにいさん)」とか「○○姐姐(ネェネェ/ねぇさん)」とか中国語が使われているところもそれっぽい雰囲気をかもし出してます。

それにしてもやられました、この方私の涙のツボ付くのすごく上手いです。前回読んだ「柘榴石(ガーネット)にくちづけを」でもぐっと来る部分ありましたが、「柘榴石縲怐vはどちらかと言うと元気いっぱいの受け主人公と言う感じで全体的に明るめのお話でした、しかし、こちらの方は設定が妓楼館のもれん童や妓女と役人とか貴族と言うような設定ですから、男同士っていう以上に適わぬ恋やら道ならぬ恋の香りぷんぷんで、それだけでも切ないも雰囲気が予想されますよね。妓楼館とかこういう設定がお好きな方は多分たまらないのじゃないでしょうか、この手のお話って…ね?(←って誰に聞いてんの?)

パレット文庫ってなんとなく年齢層低いイメージなのですが、いやーあなどれんです、切なくってそれでいてすごく優しくって心わしづかみにされた感じです。まじめにやられました。

主人公は雨 蓮(うれん)と言う名前を持つ蟄兼カ(れんどう)、父親を早くに亡くしその後を追うようにして母親も亡くし身寄りの無い雨蓮は奉公先を転々とした後、紅蝋街(こうろうがい)の華宵楼(かしょうれん)に売られてきたその日に李 冬荷(り とうか)と運命的な出会いをします。

運命的な出会いとは言っても冬荷が、車に乗せられて他の蟄兼カや妓女達と一緒に運ばれていく雨蓮を目に留め凛とした姿とその美しさに一目ぼれしたってことなのですが、冬荷はそのときひと目見た雨蓮のことが忘れられず、紅蝋街にある店を全部探し回り、10日後にやっと雨蓮が華宵楼で働いているのを探し当てるのですね。

気が強くて人と上手く立ち回れない雨蓮は客と揉め事を起こしてばかり、この日もお客様を怒らせて殴られた処を一人の男に庇われます、それが冬荷でした、両親を早くに亡くして前の奉公先でも気の強い性格のせいもあって人からやさしくされたと言う事が無かった雨蓮に始めてやさしくしてくれた人、冬荷。

しかもです10日もの間素性の判らない自分をずっと探してくれていたと言うのですからそりゃもうあなた恋心燃え上がらなきゃ嘘ですよね。

冬荷はまだこの時下級の役人でしかないのですが、それでも自分の安い給料をはたいてまで一番大きな蝋燭を買い雨蓮が他の客の相手をしなくてもすむようにと店の人間に頼んだりするのですよ、もちろん雨蓮の始めての相手は冬荷で、雨蓮も冬荷以外の旦那は要らないと一途にその気持ちを貫き通します。

いつも冬荷に守れれてばかりじゃいやだと、自分でも何か返したい冬荷のために何かしたいと思う雨蓮の一途さもさることながら、優しくて強い心を持ち合わせている冬荷もまたすごく良いです。
雨蓮を自分の力で守ろうとする余り途中、帝の次に高い位という馬仲広と言う嫌な上級役人に窮地に追い込まれたりもするのですが、職を追われても自分が居ない間に雨蓮が他の客の相手をしなくてもすむように、この蝋燭がなくなる前に戻ってくると言う意味も込めて一番太い蝋燭を沢山買って残していくのです、もうこの当たり涙涙でした(笑

その他にも、この方のストーリーの中で好きなところは嫌な登場人物(悪人)にはちゃんと報復措置が用意されているところでしょうかね。よっしゃぁ!そう来なくっちゃ!!と思わずこぶし握り締めてしまうような罰と言うかお仕置きみたいな(笑

そう、冬荷は馬仲広の悪事を暴くために同じ下級役人と示し合わせて色々調べていたのです。私欲にまみれて、帝への献上品にまで手をつけ横流ししていたその証拠を掴み馬仲広を失脚させ、それだけでなく馬仲広によって失脚させられ両親と離れ離れになり、雨蓮と同じ妓楼館で妓女をしていた薔仙の事も救い出してくれるのです。実はこの薔仙、以前は帝と恋仲だったらしいのです薔仙は「いつか迎えに来るから」と言った帝の言葉を信じ、無実の罪で都を追われた両親を信じ妓楼館でずっと恋しい人を待ち続けていたのです、この当たりもすごく泣かされます。

馬仲広の顔に泥を塗ったとして職を追われていた冬荷も、犯していた罪が暴かれた馬仲広の失脚により位も上がってまた雨蓮の元に、雨蓮を身請けするために戻ってきます。

雨蓮と冬荷の気持ちの通い合ったそう言うシーンが何度か出てきますが、この当たりの雰囲気も又いいんだなぁこれ
ストーリーもさることながらみなみ遥さんのイラストもすごくこの物語の雰囲気に合っていて随所随所で話を盛り上げてくれますしね、薄幸の美少年って設定ですが主人公がこれでもかって痛めつけられるようなシーンは出てきません、そう言うところがパレット文庫なのかなとか思ってみたり…(笑

私この話の登場人物の中でお気に入りは雨蓮と同じ妓楼館に居る先輩蟄兼カの葵央(きおう)なんですけどね、訳知り顔って言うか、これも仕事と割り切ってさばさばしてる彼が本当の恋を知るとどうなるか見てみたいものです、なんて…冬荷の友人で貴族の甘 子微(かん しび)となんかあるかもと密かに期待していたのですが、子微には丹春(たんしゅん)と言う妓女見習いの子が相手役として付くのでこの話しの中では残念ながら何も起こらず、ですからぜひ次は…とか言ってみたり(笑

楽天文庫ビューア挿絵が小さいのが難点だなぁ
この本はちゃんとした文庫本買おうかしら…。
華宵楼恋歌
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