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窮鼠はチーズの夢を見る/水城せとな

わぁ!気付けばいっこも感想を書かないうちに7月が終わろうとしています、という事で慌てて書く復活第一弾がこれですか(笑)

これが例の「窮鼠~ですか、なんていうか、むむむ…
いや普通に面白かったんですけど。
これレディコミなんですよね?
「これ面白いよ」といって友人から借手渡され、うっかり何も考えずに読んで生まれて初めてBLモノを目にしてしまい、えもいわれぬ興奮を体感してしまった時のような衝撃を受けました(どんなんやそれっ!!)

カバー裏に「水城さんはちょっといい話とか描かなくていいから。他の引き出しあるでしょう、ゲイとかSMとか」って編集長に言われて描いたと書かれてるのですが、それで描いちゃうんですね、最近の漫画家さんはすごいなぁ(笑)
って思ったら昔はBL描いていたのか、納得。

しかし、これどの辺りがレディコミなのでしょうか?
女性の関わり方?
それともこの今ヶ瀬と言う男の執着心なのかなぁ
でも、レディコミで男同士の絡みって本当のところどうなの???

ま、それは置いといて、執着系攻めと流され系受けの組み合わせ。

恭一は結婚をし妻が居るにもかかわらず4年間の結婚生活の間に流されては関係を持つと言う浮気を繰り返していたのですが、その恭一の素行調査をするために奥さんが雇った興信所の人間が大学時代の後輩今ヶ瀬と言う男だったんですね。

恭一の奥さんに浮気の事を報告しない代わりに今ヶ瀬が要求してきた物は恭一の躯
この辺りの設定からしてもう普通にBLモノで在りそうな設定ですよね縲鰀
しかし、こういう男女間がらみの話だと男女間のやり取りに妙にリアルさがあって、奥様達の言い分もわかってしまうところが微妙にイヤですね(^^;)
すごいと思ったのは旦那の事がなんだか嫌で、離婚したいと思っているのに、自分を悪者はしたくなくて先に相手(旦那)の悪いところを探っておいてから自分を優位に立たせた状態での離婚をしようとした恭一の妻……可愛い顔をして怖い。
でも、なんだかその行動に妙に共感とも納得とも言えるような複雑な感情が湧いてくるのも事実だったりするのですよね。(ふぅ…)

しかし、作中に出てくる男同士のH絵より男女間のH絵になぜか違和感を感じてしまう私ってやっぱりどこか変。うん…変。自分の中で何かが崩れる音を聞いたような気がした。(笑)

自分はノーマルだからノーマルだからと言い聞かせ、離婚後も女性と関係を持ちつつ、今ヶ瀬とも離れられない。今ヶ瀬の強引さに流されるうち次第に今ヶ瀬の存在が当たり前になってくる。

今ヶ瀬が男と一緒に居るところを見て勘違いをしたり普通に嫉妬したり、昔の彼女と今ヶ瀬どちらを取るかこの場で決めろといわれて迷ってみたりする姿が哀れでもあり、滑稽でもあり。

よくもまぁこんな男を今ヶ瀬はずっと想い続けていられたものです、人を恋慕う感情は理屈では言い表せないと言いますが…まさにその通りかもしれません。

普通に考えると「窮鼠(追い詰められた鼠)」は恭一なんでしょうけれども、考えようによっては追い詰められたのは今ヶ瀬とも取れなくもないですね、自分に振り向くのを待って待って、待ちくたびれて、恭一を想う気持ちが崖っぷちに追い込まれてしまう今ヶ瀬と言う捕らえ方。
恭一があまりに優柔不断で今ヶ瀬の方がだんだん気の毒にさえなってきます。

ラストで最後まで行き着いた二人ですが、恭一がふと鏡に視線を送ったところを今ヶ瀬が現実に引き戻す事を避けようと恭一に目隠しをしてツーラウンドに突入するシーンが好きです(笑)

恭一のような男を恋人に持つと本当に色々大変そうですよね、恭一の悪癖は早々簡単に収まるとは思えないので、今ヶ瀬はこれからも女相手にバトルする羽目に陥るのかも(気の毒……)
しかし、意外とこの彼のような流され系は日本人男性に多いのかもしれないなとふと思った暑い夏の日…。

窮鼠はチーズの夢を見る ジュディーコミックス
著者/訳者:水城 せとな
出版社:小学館クリエイティブ( 2006-01-26 )
定価:¥ 530
コミック
ISBN-10 : 4778010019
ISBN-13 : 9784778010010

Comments:4

ナルミ 06-07-29 (土) 16:07

TBありがとうございました。

ズルイ男代表恭一なわけですが、
レディコミたる所以はもしかしたら
端々に出るオンナ達なのかもしれません。
あまりにもリアルな元カノと元妻。
あの二人がいるからこの漫画って余計面白いのだと思ったのでした♪

☆こちらもTBさせていただきました♪

秋月 06-07-29 (土) 22:46

Juraさん、こんばんは。
TBありがとうございました。こちらからもお返しさせてください。

今ヶ瀬を可哀相だと思えるのはBLの下地がある層が中心だと思いますね縲怐B同性愛を基本的に受け入れられない人は、女性陣の肩をもちそうです。それか、恭一のほうを今ヶ瀬に執着されて可哀相と思うかも。

…たぶんこれからも今ヶ瀬の忍耐が試される関係になるんじゃないでしょうか(笑)

にゃんこ 06-07-31 (月) 10:37

Juraさん、こんにちは。

久々のレビュー、待ってました!
この作品の連載がレディコミっていうのは、ちょっと意外ですよね。
でもレディコミもBLも読者は女、ということで、やっぱり女のねちっこい所や男の情けない部分に共感するの…かな?

>男同士のH絵より男女間のH絵になぜか違和感を感じてしまう
私もです(笑)
無意識にスルーしてます。
腐ってますね…(^_^;)

それでは、TBありがとうございました。
お忙しいとは思いますが、がんばってください☆

Jura 06-08-04 (金) 11:39

ナルミさん、秋月さん、にゃんこさん、こんにちは縲彌nお返事遅くなってごめんなさい。

ナルミさん
>あまりにもリアルな元カノと元妻

そうですよね、ほんと女性の存在がとてもリアルな感じて描かれていて、それが面白みの1つなのかもしれませんよね。

しかし、恭一なんでこんなにモテル(?)のか…そのあたり解せないわ縲怐i笑)

秋月さん
>今ヶ瀬を可哀想だと思えるのは、BLの下地がある層が中心…

確かにそうかも(笑)
BLを受け入れられない方たちには女性人の肩を持つか、今ヶ瀬に言い寄られる恭一かわいそうなのかもしれませんね。
今ヶ瀬かなり忍耐強そうだから…でも振り回されるのはやっぱり彼の方なんだろうな(^^;)

にゃんこさん
良かったです、男女の絡みに違和感を感じるのが私だけでなくて(笑)
最近何ニュース記事などで見た気ない一言にすら腐を感じてしまう自分が怖いくらいですよ縲怐i^^;)

レディコミだけど、以前BLかかれていた方だったからこの作品の話が来たのでしょうね、時代の流れに乗ってみたって感じなのだろうか??
しかし、普通の読者さま達はどう思ったのか知りたい気分。

みなさんコメント&TBありがとうございました
最近忙しくてなかなか更新できないけど、頑張りますのでよろしくお願いします!

ではではまた縲鰀

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trackback from ほもほも日記 06-07-29 (土) 0:31

ピーッ ☆分クッキング

・用意するもの
オリーブオイル 又は サラダオイル

・所要時間
3分では短すぎると思います

賢明な皆様のことです。 用意された食品がどのように使用されるかは、すでにお察しのことと思います。
ピーッの放送伏字部分には、ふさわしいと思われる語句を脳内であてはめて下さいね。
「受け」あたりがソフトだと思いますが、ハードなのがよろしい方は、どうぞお好みの匙加減で。

今日のホモ

「窮鼠はチーズの夢を見る」 水城せとな 小学館 ジュディーコミックス

優柔不断な性格が災いして不倫という「過ち」を繰り返してきた恭一。
ある日彼の前に妻から依頼された浮気調査員として現れたのは、卒業以来会うことのなかった大学の後輩・今ヶ瀬だった。
ところが、不倫の事実を妻に伝えないことの代償として今ヶ瀬が突きつけてきた要求は、「貴方のカラダと引き換えに」という信じられないもので・・・。

掲示板で「レディコミに水城さんが男同士の話を描いてますよ」とタレコミをいただいてから(その節はありがとうございました)、せっせと雑誌を買い続けた日々に、さようなら。
祝・単行本化!!
やっと「NIGHTY JUDY」を捨てられます。めっちゃ嬉しい。

水城さんが公式サイトで「この作品は単行本化されないと思います」とおっしゃっていたのですが、単行本になって本当に良かったです。
「NIGHTY JUDY」はレディコミだけあって、表紙にババーンと大文字で 『オンナのエロス』 とか書いてあるんですもん。
こんなの持ってるのを誰かに見られたら、いたたまれない・・・・・。
ホモ本が見つかるのも相当嫌ですが、「特集 オンナのエロス」な雑誌が人に見つかるのは、もっともっと嫌なんじゃー!(笑)

さて、この作品で使用されていたのは、オリーブオイルでした。
細かい描き込みを見てみると「Extra Virgin Olive Oil」で、これはもしや恭一が男バージンなのにかけてるんだろうか、と。
「まぁ、なんてふさわしい潤滑油なのかしら」 と思う私がいて、「そんなの考えすぎ、きっとたまたまだって・・・・」 と思う私もいて。
いらぬ深読みをして立ち止まっておりました。

リンク先のブログでも絶賛されていますが、私もこの作品はとてもいいと思いました。
水城さんのこういうダーク系の作風は大好きです。
「君のことが好きだよ!」と一点の曇りもなく叫ぶような、青空が似合う恋愛物語も大好きなのですが、水城さんにはそんなの求めてないっちゅーか(笑)
閉じられた空間の中で、内へ内へと向かっていく息苦しくなるような恋愛を描かせたら、天下一品ですね!
恋愛に含まれる陰の部分、嫉妬・不安・苛立ち・独占欲などの、暗くゆらめく情念を描くのが本当に上手いなぁと。
上手いを超えて、凄みすら感じます。

雑誌では 「キッシング・グーラミー」 「楽園の蛇」 「黒猫の冷えた指先」 「窮鼠はチーズの夢を見る」、計4回の連載でした。
タイトルの全てに彼らを比喩する生き物が入っていて、凝ってるなと思って見ていました。
キッシング・グーラミーは、オス同士でチュッチュしている熱帯魚です。
求愛行動ではないそうなのですが、そんなのかまいません。フィッシュ萌え縲怐B

作者曰く「私の脳内では現在のところが一応折り返し地点」とのことなので、まだ終わってはいないようです。
連載が続くかどうかは、「NIGHTY JUDY」編集部の意向と合えば・・・の話なのでしょうか。

trackback from naruming Diary 06-07-29 (土) 16:04

『窮鼠はチーズの夢を見る』≪著:水城せとな≫

コミックです。ちょっと久しぶりに買いました。
某ブログ様で感想を読み、読んでみたいと衝動買い。
こういう話、好きです。ゲイの彼が切なくていいなぁと。

☆収録作品
キッシング・グラーミー
楽園の蛇
黒猫の蛟-ナコト氏ャトイ〓トォ ナクナ・ナ・」|ナウナ淒ηッナケ” class=”amazon_pict” />

trackback from 月と凌霄花 06-07-29 (土) 22:39

『窮鼠はチーズの夢を見る』

窮鼠はチーズの夢を見る

 水城せとな
  小学館ジュディーコミックス 2006.01

…今ヶ瀬…… 俺は

お前が怖い……!

随分と他のサイトでも取り上げられ物議をかもしている本作品(大袈裟?)。一読した限りでは、ああ「本物」っぽいのを読んだなあ、と満足感でいっぱいでした。「本物」。これが男同士の恋愛を取り扱いながらも、ボーイズラブではなくて、レディコミというカテゴリからの出版物であることの、意味はたぶんそこにあります。

主人公の大伴恭一はもうじき三十歳になる既婚者で、優柔不断な流され男。妻の知佳子が夫の浮気調査を依頼したのが、偶然にも恭一の大学の後輩だった今ヶ瀬渉だった。今ヶ瀬は調査結果を手に恭一の前に現れ、卒業以来七年ぶりの再会は、脅迫者と被脅迫者という場面になる。妻には隠しておく代わりに貴方のカラダが欲しいと迫る今ヶ瀬に、大伴は嫌悪感を飲み込んで一時のことだと割り切りつきあうのだが…。
しかし今ヶ瀬との関わりはそこで終わりにならず、間もなく妻に愛想をつかされて離婚した恭一は、その後も今ヶ瀬につきまとわれ続けることになる。今ヶ瀬は大学のときからずっと恭一が好きなのだと狂おしい告白をする。しかし、自分がゲイであり恭一はノンケであるという負い目がある今ヶ瀬は、ガンガン押してくるかと思えば、ときに気弱な一面も見せる。そんな今ヶ瀬にほだされつつも、どこまでもノンケである恭一は、頑として彼の手をとろうとしない…。

他のサイトでさんざん恭一の優柔不断さと、今ヶ瀬に気持ちが傾いていく様子のリアルさ、今ヶ瀬の純愛さや執着の側面、体を重ねるラストへといたるまでの苦しく長い局面、細部にまでわたる、こまやかで濃密な「情」の描写の、ハッとするような演出のあざやかさなどについては語られているので、ここでは割愛する。その代わり、少し違う方向から切り込んでみたい。

この作品では女性が怖いくらいに強いのだ。夫との安穏とした暮らしに満足せず、ちゃっかりと相手に責任をなすりつける要素を引きずり出して離婚しようと謀る妻。しおらしい顔と艶かしい体を武器に、日々の生活の不満のはけ口として浮気相手を利用する女。女という性であることを絶対の確信として、好きな男を、一途に思い続ける男からもぎ取ろうとする女。女って怖い。けれど、強い。強くて、したたかだ。
本来の読者層である女性から見れば、優柔不断で流されるままに不倫や浮気を重ねてしまう恭一は、彼女達の自立を妨げる苛立ちの対象であり、同性にしか恋をできず、七年にも及び執着し続けるというやり方で恋愛をする今ヶ瀬は、ほとんど理解できない、気味の悪い存在なのであろうとも思う。ふだん、ボーイズラブを読む読者からすれば、これはボーイズラブとして読むにはあまりにも生々しすぎる。

この作品には、異性愛も同性愛も、相手を愛する気持ちは共通だ、という奇麗事で片付けられないテーマが見えはしないだろうか。つまり、彼女達から見れば、最後には気持ちを貫き通して恭一を手に入れた今ヶ瀬の執念も、祝福の対象ではなく呪詛の対象となるのでは。最初から同性愛という性癖である今ヶ瀬は言うに及ばず、フラフラと、ただ自分だけを愛されたい女性にとっては憎むべき性癖である浮気性の恭一もまた、最終的には女性を選ばず今ヶ瀬の腕に落ちたことは、じつは二人にとってハッピーエンドと見えるようでいて、一時の気の迷いであり泡沫(うたかた)のようなものだと、暗に示してはいないだろうか。
表面的には、今ヶ瀬の純愛が、頑なに同性を拒み続けるノンケの男としての恭一の矜持を突き崩し、二人は求め合って結ばれたように見える。だが、私には結ばれ合った二人の先に、あたたかな幸福の光景がどうしても見えてこないのだ。

妻やその他の女性を相手に、常に受け身で、自分から求めたりしない恭一の温度の低さ。ラクな方向へ流れようとする意志の弱さは、ずるいと糾弾されるべきものでもあり、また同情されるべきものでもある。言わば恭一はどこにでもいる、ちょっと意志の弱い、流され男だということだ。恭一は、カラダと引き換えにしてでも止め置こうとした妻に離婚されてしまい、ようやく「自分は本気の恋をしたことがなかったのかもしれない」と気づいた。
ここで、普通の――つまり異性愛ということだが、次の女性を愛して結婚すれば、お話としては万々歳だ。恭一に迫る今ヶ瀬は単純に、彼に「本当の恋」を探すきっかけを与えるエポックメイキングな存在として描かれて終わりとなるはずだった。しかし、この作品は今ヶ瀬の執着愛を、傷だらけにしながらも実らせるものでもあった。もちろんこの流れはグッとくるものが多い。今ヶ瀬の気持ちには、深く頷いたり、思わず同調して応援したりさせる吸引力がある。そして、恭一は結局はこちらに引き摺られてしまったのだ。恭一自身の意志もあるが、より多くは今ヶ瀬のアタックの威力である。
女性を相手に「本気の恋」ができなかった恭一が、同性である今ヶ瀬に「本気の恋」を見出した、という結果は果たして幸福か。ボーイズラブ読者にはもちろん歓迎すべき流れであり、安易に「俺は男もイケるんだ」とよろめくボーイズラブ的お約束に飽き足りていない読者には骨太に感じられて良い。しかし、異性愛賛成者にとって、この結果は不本意なもののはずだ。恭一は女性を選ばなかった裏切りの罪を背負わされてしまったようにも思える。夏生はいったんは手に入れた恭一を、再び失うことを予感していたのではないか。随所に、そのような諦めににも似た表情が顔をのぞかせている。しかしそれは、まるで、憐れみにも似てはいないだろうか。

今ヶ瀬は恭一を奪う女を「泥棒猫」と言い、夏生は恭一を「ハメルンの笛吹きについていくネズミ」と言う。各編のタイトルは今ヶ瀬を「黒猫」と暗示する。ネコとネズミの割り振りは明確ではないのだが、仮に恭一をネズミとする。
追い詰められたネズミは、それでもネコに噛みつくことができない。ただ、好物のチーズの夢を見ているだけだ。チーズは、ラクなほうへと流されたい恭一のズルさを示して、怠惰の比喩だろう。ネコは今ヶ瀬でも、他の女性たちでもいい。だがネズミは、まるで猫の目のような月から隠れて雨のカーテンに隠れた陰で、こっそりと快楽の餌を貪るしかできないのだ。ムードのためだけではなく画面は暗く、月も照らさない夜であり、全てをはげしく洗い流さんとする大雨に閉ざされている。恭一の目は、今ヶ瀬に組み敷かれた己の姿を直視することで、目を逸らし続けてきた内面をようやく見つめようとする。

>さあ これから どうしたらいい

まだ恭一は迷っている。あるいは迷いを振り切りたいのかもしれない。

>溺れていくのかな
>東京は大雨洪水警報

奇しくも、ここで夏生の呪いは成就するかに見える。今ヶ瀬のいる場所をドブだと言い切り、みすみす恭一をドブに溺れさせはしないと宣言した強かな傲慢さ。ドブか雨かの違いはあるが、恭一は溺れてしまうのだ。待っているのは何の心配もない幸福ではないだろう。単純に、恭一の浮気性に今ヶ瀬が困らされたり、今ヶ瀬の熱情に恭一が辟易したりというレベルではない。もっと、根源的な幸福の強度が、疑われる終わり方ではないかと思う。体を重ね、心も重なりあったかに見える。しかし、私にはこのささやかな幸福への疑いに、レディコミという媒体のもつ悪意(と言えば語弊があるが)にも似た強かさを感じずにはいられない。
だが、考えてみると、これはじつはわかりにくいハッピーエンドを示唆しているのかもしれないと思えた。
「ドブ」ではなく「雨」に、溺れること。綺麗な、空から流れてくる水そのものだ。そこに汚れのイメージはない。
他人に流され続けてきた恭一が、初めて自分の意志に溺れるように流された、その差異はひょっとしたら確かな、二人の未来の明るさを約束してくれているのかもしれない。ドブの汚れを、洗い流す雨が。うーん、深いなぁ…。

恋する気持ちを「怖い」と言う恭一と今ヶ瀬。きっとそれが「本当の恋」に踏み出す怖さ、なのだろう。
(無理やり)総括すると、異性愛/同性愛というカテゴリに押し込められない作品であり、どちらの立場から読んでも、それぞれに感じるもののある、深みのある作品だと思った。

それにしても、また長くって、すみません(笑)

欲しくないですよ正論なんか!!

理不尽でいい
衝動的でいいんです
フラフラ迷って流されたり
血迷ったりしていい

けど優しいし
貴方なりの律儀な誠意があるし

本当は体の奥底に欲望と情熱を隠し持ってる

俺に下さい
それを俺に下さい……!

trackback from にゃんこのBL徒然日記 06-07-31 (月) 10:23

窮鼠はチーズの夢を見る

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私にしてはめずらしく、新刊でございます。

水城先生、絵が変わりました

trackback from ムスカリア縲怩aLを求めて 06-08-17 (木) 14:44

窮鼠はチーズの夢を見る

窮鼠はチーズの夢を見るposted with 簡単リンクくん at 2006. 8.16水城 せとな小学館クリエイティブ (2006.1)通常24時間以内に発送します。オンライン書店ビーケーワンで詳細を見る
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【内容】大学時代後

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