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となりの王子様/桜木知沙子(illuts 夢花 李)

どうも最近サクっと読める漫画の方にばかり気持ちが行ってて、小説の感想を書いていないですね。
読んだ後、感想を途中まで書いて書きかけのまま放置した非公開文章がこのブログの中にもごろごろしている、ちゃんと消化しなきゃ~

と言う事で、初桜木作品、2冊持っているうちの中でこちらを先に選んだわけはやっぱり絵師様の絵が好きだって言うのもあるのですが、通勤電車の中でもあまり周りを気にすることなく読めそうだったから。うん、実際ほとんど気にすることなく読んでしまいました。だって妖しいシーンが一個もないんだもん(笑)

この本『となりの王子様』ってなんだかファンタジックなタイトルな割りに、どうみても仏頂面な攻めの顔がこの二人の関係をすごく良く言い表している気がします(笑

二人は小さなころ、ご近所さんだった幼馴染。
母の再婚で東京に引っ越していった堂島蔡(どうじま さい)は今や押しも押されぬトップアイドル。なのに、なぜか彼は突然引退宣言をし春村周哉(はるむら しゅうや)の隣の家に帰ってきたのです。

同じ大学に通うようになり、また昔のようにそばにいられることになったのは嬉しいのだけれど、別々に暮らしていた数年の間にできた空白の時間と、アイドル時代の名残で引退した後も同級生達から度々蔡のサインをねだられてしまう周哉は蔡と自分の間に言いようの無い距離感を覚えてどうしても素直になれないでいたのです。

蔡の方は周哉のことを子供の頃と同じように周哉の都合も聞かず強引につれまわしてくれるのだけれど、アイドルだった蔡と自分はやっぱりどこか違っていて、蔡の行動も周りの反応も周哉にとっては困惑の種でしかないのですね。

トップアイドルだった蔡が周哉のそばにいるおかげで、周哉はいろいろ面倒な事に巻き込まれてしまったり、見なくても良いもの、知らなくても良い事まで知る事になってしまったりするわけです。

しかも蔡から「お前の事が好きだから」なんて思いも寄らぬ告白までされて周哉は更に困惑してしまうんですよ。

なんと言うかこの話ほんとかわいいなぁと思います。
周哉は自分の気持ちよりもどちらかと言うと相手の気持ちを優先させてしまうタイプで、自分がどうしたいかは後回しな感じの性格の男の子なのでその辺り読んでいてとてもじれったかったりもどかしかったりもするのですが、でも蔡のことを本当に好きなんだろうなというその相手を思う気持ちは良く伝わってくるので、こちらもほんわかと暖かい気持ちにさせられる。

脇のキャラもいい感じ、蔡の義兄で蔡が芸能界にいた頃マネージャ役を務めていたの渉さんの存在とか、蔡の従姉妹の華世さんも二人の仲をいい具合に取りまとめる役割を果たしてくれています。

私的に1つだけ残念に思ったのは、本編の「となりの王子様」も書き下ろしの「お姫様にはなれない」も周哉視点で話が進むので蔡の気持ちがいまひとつ掴みきれなかったところ、周哉曰く、蔡は我侭な独裁者ならしいのですが、そにわりになんとなく聞き分けの良い良い子ちゃんなんですよね縲怩烽ソろん私の主観ですけれども。

蔡が芸能界を辞めて北海道の周哉のところに帰って来たのは周哉のそばにいたかったからだと、それはわかるのだけれど、わざわざトップに君臨していた芸能界を突然引退してまで北海道に帰って来たいと思うほど周哉のどこを好きなのか(何処を好きになったのか)がわかるようなエピがどこかに欲しかったなぁと思うのは欲張りだろうか?
自分よりも相手優先、そんな周哉だからこそ好きになったのだとその辺りはなんとなくわかるのだけれど、なんかこう、決定打にかけている気がする、うーん。うーん…。

その辺りだけちょっと物足りない気持ちがした、でも蔡の策士な部分はかなり好きかもです。
なんだかこう読んでいてニヤっとしてしまったわ(笑

となりの王子様 (キャラ文庫)
著者/訳者:桜木 知沙子
出版社:徳間書店( 2003-02 )
定価:¥ 540
文庫
ISBN-10 : 4199002626
ISBN-13 : 9784199002625

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