- 2006-08-19 (土) 20:43
- BL小説(作家名・あ行)
あら、気付けばまたもや初めての作家さん。
特に新しい人を開拓しているわけではないのですが、なんと言うかあさとえいりさんのイラストと作品のタイトルに惹かれてしまったのです。
「人工楽園」って昔英田サキさんが運営していたサイトの名前と同じ…それだけで気になってしまったのだったり、ファンの方ごめんなさい。
この話、あさとえいりさんのイラストの雰囲気にぴったりのお話でした。強気な受けくんも好みのタイプですが、こういう繊細な雰囲気の健気な受けくんもやっぱり好きです。そういや、私の書く受けくんもどちらか2タイプだな……。
現代モノではありますが、今行く医療技術(?)よりも若干最先端の一歩進んだ時代の医療ファンタジーと言うかなんと言うか(笑)
研究者の桐原崇生は、ある研究を遂行するため人里離れた山の中の一軒屋にセイと呼ばれる男の子と二人暮らしていました。
崇生の弟、聖夜は心臓が弱く20歳まで持たないといわれるほど病弱。そんな弟のために崇生は心臓移植に使うクローンの研究をしていて、セイはそんな崇生が生み出した聖夜のクローンだったのですね。
現代の技術ではどんな理由であっても人の完全なクローンを作る事は禁止されている、それでも崇生はその禁を冒してまで弟を助けたいと思っていたのです。しかし本当は心臓を移植するためだけに作ったはずのセイと一緒に暮らしていくうちに次第にセイに対し特別な感情を持つようになります。
弟の身代わりとして出なく、1人の人間としてセイを意識するようになってしまったのですね。
すごいな、複雑ですよねこれ……。
自分の弟と同じDNAを持つものだから、弟といえば弟なのだけれど弟とは性格などもまったく違う別の人間でもあるのです。
セイは出生の秘密を崇生がひた隠しにしているので自分がクローンだと言う事を知りませんし、セイのオリジナルである聖夜も崇生とは離れた場所で暮らしているので、自分のクローンがいると言う事を知りません。
見た目は17歳くらいの男の子なのだけれど、セイは生まれてまだ3年くらいしか経ってなくて一般世界から隔離されたような場所で生活しているので怖いもの知らずというか物事を何も知らないというか、純粋で穢れていない分、自分の気持ちをとても素直に崇生にぶつけてくるのですよね、だから好きだって気持ちが芽生えてきたときも、崇生とセックスしたいんだ、なんてそれを何の疑いも無く素直に崇生に言ってしまう。
心臓を弟に移植したくて作った、それだけのはずだったのに生きて目の前で動いているセイを見ると、好きになってはいけない相手だと思うのに、崇生も自分の気持ちが止められなくなってしまうのですよ。
セイを生かしておけば弟の命は後僅かしか持たない、しかし弟を助けるという事はセイを殺すという事でもある。人間のもつエゴイズムも見え隠れしつつ、またそうしてしまった自分の行為を悩み苦しむ崇生。
きゃーーーーーーーーっ!!
なんて残酷な究極の選択。
崇生がどっちをとっても読者納得いきませんよこれ!!
なので最後までどうなるの?どうなるの??とはらはらドキドキしながら読みました。
セイは悪い物に染まってない分ほんといい子で、自分が聖夜のクローンだって判ると、崇生の傍にいたい、死にたくないって思っているのに聖夜に心臓を与えるために生まれてきたそんな存在だからって自分から心臓を提供するために崇生に内緒で聖夜のとこに行こうとしたりして……。
なんだかどっちに転んでもどう考えてもハッピーエンドではないのですが浅見先生、どっちもハッピーエンドになる方法を用意しておいてくれました。
は~よかったぁ笑)
ご都合主義といえばご都合主義な結末ではあるのですが、いいの…ハッピーエンドの方が読んでいて安心できるから^^;)
同時収録の「人造宝石」と「DARLING JEWEL」は崇生の弟聖夜と聖夜が崇生と離れて暮らしている間、心臓の悪い聖夜の身の回りの世話をしていた医師加賀修平の話です。
聖夜は聖夜で自分の兄が自分のために法を犯してまでセイをつくり、今生きているセイの心臓を自分に移植しようと思っていたことを知って激しく抵抗するのですけれど、聖夜は聖夜であとわずかしかない命をもっと永らえたい、健康に成りたいと思う気持ちもあったのですね。
それは自分の世話をしてくれている加賀修平の存在がそこにあるからでした。
しかし、自分の心臓はもうあと僅かしか持たない……何時かは消えてなくなる命だと想いを告げることも諦めていた聖夜だったのですが、兄崇生のクローン研究の成果により、健康な心臓を手に入れることが出来たのです。
健康な体を手に入れた聖夜は想いを寄せていた修平が自分が修平のことを好きだと気付いたよりもずっと以前から自分を想っていた事を知り結ばれます。
「DARLING JEWEL」は完璧な人間と思っていた修平のへたれっぷりが非常に笑える作品でした。
攻め様のこういうへたれっぷりは非常に好感持てます。
聖夜のことがほんと可愛くて可愛くて仕方ないのね縲怩烽、、ものすごい過保護で(笑)こういうの大好き。
ところで、修平と聖夜は聖夜が元気になってお互いの気持ちを確認しあう事で正真正銘なハッピーエンドなわけですが、セイの方はちょっと複雑です、セイはクローンなのですよ禁を犯して作られた…。
誰の目にも触れない、触れさせる事もかなわないまま、また普通の生活に本当の意味で触れられないまま一生を終えなければいけない存在なのですよね、セイって……。
セイはそれでも、崇生の傍にいれば十分満足なんだろうけど、セイがそれを疑問に思ったり,また、崇生が俗世を離れたような場所で生活をするのは自分の存在があるためなのだと気付き、セイの中に新たな苦しみが生まれたりしなければいいなと思わずにはいられません。
お互いに穏やかな一生を終えられると良いですね。
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Comments:2
- 月子 06-09-12 (火) 13:14
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こんにちは♪
この本、1ヶ月くらい前に買ったのに、いまだ積んどく本です(笑)
お話が暗そうで、バッドエンドかな?と思っていたので、ハッピーエンドと知って安心して読めそうです。
ありがとうございました!! - Jura 06-09-13 (水) 9:32
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月子さんこんにちは縲彌nバッドエンドの雰囲気がありますよね、この話の展開だと…
でもちゃんとハッピーエンドだったので安心してください(笑浅見さんのは他のも読んでみたいと思ってます。
コメントありがとうございましたではでは!
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