- 2007-01-19 (金) 9:24
- BL小説(作家名・さ行) | 桜木ライカ
今回で5冊めの桜木作品ははじめての文庫本。(プリズム文庫自体買うの初めてだよな?なんだろこのこの表紙のキラキラ感はプ〇チナ文庫のパクリ?とか思ったの私だけ?)
私、デビューからずっとこの方の作品を追ってきて、前の4冊がすべて強姦レイプ紛いの作品だったもんでこの5冊目は正直もういいか……って思って躊躇していたんですね。でも…思い切って買っといて良かったです。
と、言う事で声を高らかに言わせてもらって良いですか?
胸キュン(古!)ストーリーでした。こういうの好きだーーー!(≧▽≦)
ほんとBL作品読むのってあれだ、たくさんある石ころの中から自分にとっての光る石を探し当てる宝探しみたいな物ですね。(…すげー失礼な奴……^^;)
迷ったもう1つの理由に挿絵を担当されている方のイラストが自分的にあまり好みじゃなかったって言うのもあるのですが、この方あまりカラーイラスト得意じゃないのかな?モノクロになると全然印象が違って妙に色っぽくって良いんですよね縲怩サういう意味でもベリグッドな作品でした。
カップリング的に言うと
山好きの雇われコックX喫茶店オーナー かな?
良いですねコック攻め(なんか違う意味に取れるかも…^^;)
コックってなんかこう繊細な雰囲気に取られがちだけど、この話に出てくるコックの上代は山男だからワイルド系、ちょっと無精ひげはえた顔なんか、ええですわ縲鰀
北海道の小さな田舎町で祖父から譲り受けた『風花』という喫茶店を経営している佐野裕紀(さの ゆうき)はそこから良く見える山、旭岳で最愛の人を亡くしていました。
無くなった穴を埋めるように自分の側にいてくれる友人の晋、彼の中の自分への想いに気付きながらも裕紀は、亡くなった恋人塚田の事が忘れられないと自分に言い訳するように、その危うい均衡を崩す事が出来ずにずっと友人としての関係を続けていたのです。
そんな裕紀の前に1人の男が風花の客として現れます。
派手な登山用ザックを1つだけ持って現れた彼は身なりがいいとはお世辞にも言えないようなちょっと変な男でした。
店の料理を片っ端から注文して食した後、自分をここでコックとして雇ってくれと言うのです。
心の隅に晋の存在を意識しながら裕紀はなぜかそれを強く断る事は出来ませんでした。
なんかこれってすごく判る気がする、たとえ目の前にいる相手が自分の愛しい人と全く似ていなかったとしても、ちょっとした共通点を見つける事で目の前にいる相手にどこか似ているところを探してしまうと言う感じ?
亡くなった人との共通点を男の中に見つけた裕紀が上代の存在を強く否定できなかったのは仕方ない事だったのかも知れません、その後に来るものを考えなかったわけではないのでしょうが、晋には悪いけど違うんだよな縲怩ォっとなぁ
上代の出現で裕紀の経営する風花に腕の良いコックが入ってきたと話を聞きつけ、客が沢山訪れるようになり裕紀は急に忙しくなります。しかし、それが晋との関係を一変させる事に。
裕紀は自分の事をずるい奴だと言うけれど、本当にそうなんでしょうかっていうか、ずるいといわれれば確かにそうなのかもしれないけれど、でもそのずるさって本当に許されないものなのだったのかなって私は思うんですよね。
最愛の人を亡くしてボロボロで、でも自分の足で立たなきゃって頑張っててそんな彼の支えになってくれたのが高校からの同級生の晋で……。
裕紀は晋の本当の気持ちを知っているから寂しさ紛らわすために身体の関係なんかになっちゃうのはきっと簡単な事だったのだと思う。
でも、もしも寂しさに負けて晋とそういう関係になる事を選んじゃってたりしたら私はそっちの方が軽蔑するな。
気持ちに気付いても裕紀にとっては大切な大切な友人だから、その友達を失う事の方がもっと怖かったんでしょう?
だから、裕紀が塚田の代わりを山代に求めてしまうのも判る気がするんです、それが結果的に山代を利用している事になったのだとしても裕紀を攻める気持ちにはなれないです。
その存在に甘えてる事は自覚していて、そんな裕紀のどっちつかずの態度が上代の出現で均衡が崩れて、晋の逆鱗に触れ今まで溜まっていた鬱憤を晴らされる事にもなってしまうんだけど。
でもね、晋ね縲怩ルんといい奴なんですよね。
恋人を亡くして失意のどん底の裕紀を前にして、付け込む隙っていままでに沢山あったと思う、黙ってみているだけって結構辛い事だよね、けど晋は弱みにつけこまなかった。
酒に酔っ払って裕紀の店にやって来た後、裕紀が1人晋のアパートまで送りに行って部屋で二人きりになって、溜まってた晋の鬱憤が暴走しちゃうんですが、今までだったらここで強姦レイプになっちゃうところだと思うんですけどならなかった、それは裕紀の身体が反応しなかったからって言うのも理由のひとつだと思うんだけれども。彼は以外に冷静だったのかも、だって自分に気の無い相手を感情に任せて無理矢理抱いたところで後々後悔のこるのは目に見えるんだから。
それでも、その後もまたちょっとすったもんだあるんですれども、ちゃんと後であの時は悪かった、抱かなくて良かったなんて誤りに来るところなんか偉いなと思いました(← 子供の感想みたい^^;)
この話の中で一番健気なキャラは晋かもしれないですよ、悪い奴になり切れなかったある意味ちょっとへたれ君だけど、そんな彼だからこそ愛しい。うん私はそう思う。ちょっと可愛そうな気もしたけど彼ならきっともっといい人見つかりますよね?桜木先生vv
ところで、上代が裕紀の前に突然現れたのにもわけがありました。
実は上代は塚田と関わり合いのある人間だったのです。
この話、亡くなった塚田の影に囚われているんですよ、たぶん3人とも…
亡くなるって一番あれですよね、生きている者の心にいつまでも残り続けるというか、忘れたと思っていても胸の中で置き火のようにくすぶっていたものがちょっとした事が切欠になり新たに火を付ける事になってたりして忘れる事なんて出来ないんだよな。
裕紀と一番いい関係の時になくなったんだろうなぁきっと、だから忘れるなんて無理だよね。
と言うより無理に忘れる必要なんてないんだと思うんだけど、それじゃ相手に悪いだろうなんて考えるのもまた自然な感情だと思えるわけで。だから、悩み苦しむ訳でしょう?
ほんと塚田って罪な人(笑)
本当のことがわかっちゃった後、上代は裕紀のもとを去るわけですが
上代がまだ治り切らない足を引きずって塚田の命を飲み込んだ旭岳に1人で昇ろうとしてると言う知らせを受けた裕紀が、上代のことを必死になって止めようとする場面、また塚田の墓の前で山代が自分の本当の気持ちを吐露する場面がすごく好きです。
なんかこの辺りは涙で目ウルウルさせて鼻を啜りながら読んじゃいました…ちょっと早めの花粉症?(←違)
これ読んでいてそういえば私も雪山で遭難する話書いたことあるなって思い出したんですよね。登山記録カードって言うんだっけ?あれの連絡先に、居候先の受けの住所と電話番号書いていたので遭難したときに真っ先に受け男子のところに救助隊から連絡行くんです。
現場に駆けつけた受けが「下で黙って待っているのが嫌だから俺も一緒に捜索に参加させて下さい」って頼み込んで強引についていっちゃったりして…ありえねぇ!(笑)
ちょうどそのころ偶然にもどこかの大学のパーティが冬山で遭難した事件なんかもあったりして、知ってる人は居ないんだけれど妙に人事じゃなかったのを覚えてます。それが自分の知り合いとか恋人とか家族だとか近い存在だったら尚更です。自分がいないところで相手に何かあると待っているほうってやきもきして、ほんと気が気じゃないですよね。
上代さん、この先裕紀を悲しませるような事何があっても絶対しないでねって本気で思います。
でも、まぁ……これからはきっと二人で同じ景色を見ることになるんでしょうね。
それで、多分その時に裕紀の塚田への想いにもちゃんとけりがつくんじゃないかな…なんて思ってみたり。
どうかいつまでもお幸せに。
目を閉じて見る夢よりも (プリズム文庫)
著者/訳者:桜木 ライカ
出版社:オークラ出版( 2006-12 )
定価:¥ 600
文庫
ISBN-10 : 4775508792
ISBN-13 : 9784775508794
最後個人的な趣味で言うと髪の毛切った裕紀のヘアースタイル。もう少し長いほうが良かったです(笑)
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