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恋の行方は天気図で【うえだ真由 / illust 橋本あおい】


俺、帰ってきてよかった

もう一回知明と逢えて、よかった

税理士さんとお天気キャスターのカップリング

ちょっとじれったかったり、もどかしかったり可愛いお話でした。
うえださん再会モノってお好きなんですかね?
以前もルチル文庫で再会モノ書かれていましたよね。

このお話も、高校時代の同級生の再会モノです、なんだか思うに最近再会モノによくあたっている気がします。
高岡ミズミさんの「太陽と月の背徳」もやっぱり幼い頃に出合った二人が成長してまた再会した…って感じの話だったし。

以前読んだうえだ真由さんの再会モノ「8年目の約束」はどちらかと言うとしっとり系でしたが、こちらの方は表紙のイラストの雰囲気が物語るように元気ハツラツ系でした(笑)

高校時代に好きだった相手に気持ちを伝えないまま一人地元を離れて東京でウエザーキャスターをしていた吉沢 柚生(よしざわ ゆい)は久しぶりに地元に帰って来た時に催してくれた気心の知れた友達同士の同窓会で体調を崩して倒れてしまいます。

柚生は高校時代に合格率4%と言う難関の気象予報士の試験に合格し、大学時代には地元でウエザーキャスターとして頑張っていました。そのときの経験を買われて東京でもテレビ局のキャスターに抜擢されたのですが、ぽっと出の人間が突然キャスターに抜擢されたことで周りからの妬みやら嫌がらせを受けることになり、過度のストレスから体調を崩していたのです、搬送された病院では「胃潰瘍」だと言われて早急に入院を余儀なくされてしまいます。

柚生はその病院で7年ぶりに思わぬ人に再会します。
それが、高校時代に淡い恋心を抱いていた相手 能見知明(のうみ ともあき)でした。彼は、友人から柚生が倒れたと連絡を受けてわざわざ病院まで駆けつけてくれたのです。

自分の中に生まれた同性の知明への恋心を気付かれたくなくて、自分から距離を置いたはずなのに、こんな形で再会してしまった。しかも……後に友人から倒れて意識を失っている間に、自分が知明の名前をうわ言で呼んでいたのだと聞かされて離れ離れになって7年たった今でも諦め切れていない知明への恋心を自覚するのです。

BLものの話って受け視点の話が多いからか、うえださんの書くお話に限らず受けがわりと慎重派というか、臆病で思い悩む傾向の話が多いですよね?

ただ、何もかも最初から諦めちゃってて、考える事は常に終わる事なのに、前に進む事も戻る事も出来ずうじうじと悩んで堂々巡りしている話って言うのはどうも苦手なので、そういう話だと途中で読むのをやめちゃったりするのですが、自分自身の弱さを恥じつつも、あれこれと悩んでも前に進もうと頑張りそのために足掻くと言う話は共感できる部分が沢山あってかなり好きです。

帯に『二人の恋の空模様は、いつだって晴れ』なんて書かれています。柚生がウエザーキャスターだっていう所から生まれた一文なのでしょうけど、恋ってそんな単純なものじゃないですよね?
どんなに仲の良いカップルでも雨の時もあれば嵐の時だって絶対あるはずだから。
この話しもそう言う話しだったと思う。

でも、どんなに暗く雲が垂れ込めてても、嵐のような強風が吹き荒れていても、雲の上にはいつだってお日様が出てるんです。だから、止まない雨は無い。

柚生の初恋の相手、知明はそんな太陽みたいな人かな。

相手の事が好きだから長くやって行きたい、だからこそ優しくもなれるし時には厳しくもなれるそんな人で、自分にも相手にも妥協しないと言うか嘘が無いと言うか、正直な人なんでしょうね。

柚生は知明のそういう所を好きになったんでしょうね、それで再びであって彼の強さや優しさに触れて自分の中の思いを再認識した。
しかも知明の方も自分に好意を持っていてくれてるんだって判って、気持ちも通じ合じあってますます離れがたくなっちゃうんです。

仕事もうまく行っていなかったものだから気弱になっていて、東京での仕事は辞めてこっちに帰ってくる、これからは知明の側に居るなんて思わず言ってしまうのですが、知明はそんな柚生に逃避しているだけだと指摘するんですよね。

相手が弱っていると判ってて、相手のためとは言えその弱点を直に指摘する事の出来る人ってそうそう居ないですよね、ましてや自分が好意を持っている相手なら尚更です。

難関の気象予報士の資格を高校時代に取得した頑張り屋の柚生、地元のテレビ局でお天気キャスターをやっていた時の生き生きした姿をずっと見てきた彼だからこそ柚生ならば、本気になってやれば絶対できるって信じていたのかも……。

ずっと自分が思い続けていた初恋の相手が自分の事をずっと好きでいてくれたと知ってそれぞれの思いを確かめ合った直後にいきなり今度は自分の弱さを指摘されて「知明には俺の気持ちなんて判らない」と一度は反発する柚生の心の中には自分の事を判ってもらえないと消失感のほかにも、着実に自分の道を歩いている友人と自分の姿を照らし合わせてその差の開きから来る焦りやら嫉みにも似た気持ちもきっと混じっていたのでしょうね。

それでも元来負けず嫌いだろうその性格が功を奏し、自分より前を歩く知明に少しでも追いつけるよう、肩を並べて歩けるようにと自分の仕事にけりをつける決心をした後の柚生の行動は早かったです。

自分の出発の原点みたいな地方のテレビ局で台風の中継を任されて一仕事を終えた後、その中継をテレビで見ていた知明が車で迎えに来ていたシーンはむふふ(^m^)でした。
知明は、本当にずっと、ずっと長い間自分の事を見ていてくれたんだってまた改めて気がついて、そこでやっと柚生はじぶんの中にある「知明が好き」だって気持ちを彼に伝える事が出来るんですね。

この二人の話はほんと可愛い話でした、最初表紙を見て感じた違和感みたいなものは挿絵となったモノクロの絵を見たとたん一掃されてしまった。ストーリーに良く似合っている挿絵でした。
この方の描くマンガも今度是非読んでみみたいですvv

同時収録の「注意報縲恚}な雨にご注意下さい縲怐vはそんな二人のその後……。

結局東京のテレビ局の仕事を辞めて地元の地方局で契約社員として天気予報士を続ける事になった柚生。
ほんの些細な事で知明との関係がある人にばれちゃいます。

ここでもやっぱり知明の懐の深さを知ることになるのですが、自分の相手が知明みたいな人たちばかりだったらほんといいよなぁ
柚生が非常に羨ましかったですvv

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