- 2007-02-24 (土) 22:11
- BL小説(作家名・あ行) | 榎田尤利
漫画家シリーズと同時期に読んでそのままになっていた榎田尤利さんの作品。
榎田尤利さんのは他にも何冊か読んでいて読んだまま感想を描いていないのがあります。
面白くなかったわけでは絶対なくて、感想を書きたいと思いつつ難しくて書けないという感じなんですよ、いつかもう少し自分の中で落ち着いたらちゃんと書きたいと思ってます。
***
自分がろくでなしだと自覚のある三浦倖生(みうら ゆきお)は自分の中に何も持たない虚無な毎日を過ごしていた。ある日顔見知りの男から会員制デートクラブでの仕事を持ちかけられる。
仕事は金持ちに可愛がられる『犬』になる事……。
破格値のバイト代に釣られ向かった初めての客の家は都心近くに大きな屋敷を構える轡田(くつわだ)と言う男の家だった。
首輪を付けられ本当の「犬」になれという男に最初は強い反感を覚えた倖生。人間である自分が男の前では犬として扱われる屈辱と羞恥、しかし、それとはまた別に怒りにも似た正体不明の熱に囚われて……。
この話は、一言で言うと……SM?
あとがきにもラブラブ調教モノって書かれているからそうなんでしょうねきっと。攻めの名前の轡田の「轡」って字もやっぱりそれを意識して付けたのかな(笑)
「Pet Lovers」と言う名前の会員制デートクラブ。しかし、犬になると言っても、始め倖生が聞いていたのはペットのようにお金持ちに可愛がられることだった。なのに、向かった客の家では本当の犬になれといわれその通りの扱いを受けるんですよね。
最初は嫌がっていたのに、気付いたらどんどん嵌っていっちゃう。轡田の家に居る2時間の間だけは主人である轡田の言いつけ通りに動き、それが出来たら褒められて、褒められるからまたやろうって思っちゃう。
普通の人間ならそんな事いくらお金のためだってやろうと思わないだろうし倖生も最初はそうだったはず。なのに不思議なもので、何度かその状態を繰り返すうちになぜだかそれが、喜びにも似た気持ちに変ってしまった。
子供の頃親に愛された記憶の無い倖生。きっと彼は小さいときから何かを達成した時の嬉しさと言うのを知らずに過ごして来たのでしょうね。
だから始めはいやいやながらも轡田の言いつけに従い、上手にできた事を褒められて達成感を見出して、そこに自分が存在することの意味とか存在価値みたいな物を見つけてしまったのだと思う。
だから、轡田の居ない生活は倖生にとって次第にくだらないモノになっていくんですよね。ひとりで居るときはいつもの自分で誰に褒められるわけでも無いし何かを達成する喜びも無い。
自分から何かを見つけようとするわけでもなく、他者から与えられることだけを待っているような倖生の轡田への思いはどう見ても依存でしかなくて、それを警鐘する相手が出てくるのですが、それでも離れられなかったのはそんな二人の関係に嵌ってしまったのが倖生ひとりではなかったから。
SMの主従関係にも似た二人の関係。支配し、支配される優劣のある関係は片方が相手に依存しすぎちゃうとこの二人と同じような問題を引き起こすんでしょうね、ご主人様の居ない生活はきっと虚しい……。
ひとりで立って歩けなくなっちゃうわけだから考えてみるとすごく怖いです。
それがどんなに小さい事だったとしても、コツコツと積み上げて達成していく喜び。それを子供の頃から体感させることがいかに大切かってこれを読んでいて本気で感じた。
榎田尤利さんの作品ってなんだかそういう風に意味のある作品がこれに限らず多いような気がする。
だから私には読んでいて時々苦しい……。
誰かに依存しなければ生きていけない、それは結果的に何も解決していないのと同じことで、轡田は何度か今の二人の関係が倖生のためにならないと言うか、轡田自身も恐怖だったのでしょうけれど、お互いがお互いを本当にダメにする前にと彼は何度か倖生を自分から遠ざけようとするのだけれど、一度は倖生がそれを受け入れなかった事や、轡田が過去に関わってきた人間とのいざこざに倖生を巻き込むことになり、結局は倖生を手放せない事に気付いてしまうんです。
親の愛情を受けずに大人になってしまった倖生と、大切なものを一度に無くしそれからずっと一人で生きてきた轡田。
寂しんぼう同士の寂しいって気持ちが呼応して出来ちゃったような二人なのですが
主人と犬
命令し従い優劣がある。どう見ても建設的だとは思えないそんな関係から
二人肩を並べて歩いていけるような恋人同士への1歩を踏み出した二人。
嫉妬深くて心の狭い男に思われたくないからって強引に倖生を自分の経営するモデル事務所のモデルにしようとする件には笑えました。
なんかほんと子供みたいなんです轡田……(笑)
この二人ならば互いに足りない部分を補って上手くやっていけるのかもしれないなとそう思えるようなラストでもありました(笑)
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Comments:2
- ゆちゅらぶ♪ 07-03-02 (金) 14:01
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Juraさん こんにちは♪
あれからも何度か携帯からのコメント送信試していますが、どうもダメみたい・・・(T▽T)
ちまちまと漫画喫茶から遊びにきますね縲怐B
見るほうはとりあえず問題なく見れているのでROMっ子してます(笑)この本は私も最初えすえむとそんな本だと思って躊躇してましたが思い切って読んでよかったです!
やはり榎田さんはお上手だな縲怩ニ再認識しましたよ♪次にご紹介されてる交渉人も手元にあるのですがまだ読めてません・・・。またそのうち感想を書くかもしれませんのでそしたらまたお邪魔しますね♪
- Jura 07-03-02 (金) 21:00
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ゆちゅさん、こんばんは縲彌n
>どうもダメみたい・・・(T▽T)う…なぜなんだろう、ソフトバンクに弱いのかしらこのブログ…ごめんなさいね、諦めずにやってみてください。
>この本は私も最初えすえむとそんな本だと思って躊躇してましたが
SMと言えばそうなのかもしれないけど、SMってより相手を自分の意のままに操るってことで調教って言う方が近いのかもしれないです。(SMも似たようなものかもしれませんが…)
縄で縛って鞭打ちがあったりフィ○トとかあったりするとハードだけどこれくらいソフトならSMとか嫌いな人でも抵抗なく読めますよね、きっと。交渉人縲怩烽ッっこう面白かったですよ、読んだらまた感想聞かせてくださいね
こめんと&TBありがとうございました
ではまた!!
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- 犬ほど素敵な商売はない【榎田尤利 / illust 志水ゆき】 from 詞の音
- trackback from 水中雑草園 07-03-02 (金) 14:02
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NGワードのハズだったのですが
犬ほど素敵な商売はない
榎田 尤利, 志水 ゆき最近いろいろ他の方の書いたレビューを見るようになり、以前の自分なら手を出さずにいただろうな、という本も読むようになりました。今回の本もそのうちの一冊ですが、結論を言えば
「よかった…読めて!」
シャイノベルズ 榎田尤利 「犬ほど素敵な商売はない」
榎田さんは好きな作家さんなので結構買うのですが、今回は最初にあらすじを読んだ時点で
「わー、調教ー。パス!」
だったのです。





